「見ている景色」が違う規格外の至宝5人 世界の頂点を極めても驚きはない
才能だけでなく人間性も磨き上げるべき
八村塁のNBAでの冒険は始まったばかり。パイオニアにかかる期待は大きい 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
「アメリカに2メートルを超える選手も、彼よりジャンプ力のある選手もたくさんいる。そのなかで1巡目指名を受けたというのは、単純にバスケを愛する気持ちが誰よりも強いからだと、個人的には思っています。才能ももちろん必要ですが、そこにあぐらをかいて持て余す人もごまんといるなかで、彼はたゆまぬ努力で才能を磨き上げていったんです」
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成長著しい左の大砲・村上宗隆。球界を代表する打者に成長できるか 【写真は共同】
高卒2年目の今季、10代の選手として史上最多の36本塁打を記録した天性の長距離砲を、「侍ジャパンの4番に座って、球界を引っ張っていく存在になる可能性を秘めている」と高く評価する一方で、多村氏はMLBの超一流プレーヤーと接した経験から、村上にこんな注文も出している。
「成績だけでなく、これから人間性も磨いていってほしい。松井秀喜さん(元ニューヨーク・ヤンキースなど)も人格者で知られましたが、村上選手もファンに愛されるスーパースターになってほしいですね」
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八村がファイナルMVP、久保がバロンドールに…
“ジャッカル姫野”は4年後、成長したプレーでまた日本を沸かせてくれるはずだ 【写真:アフロ】
先のラグビーワールドカップ(W杯)で、日本代表のベスト8進出に大きな貢献を果たした“ジャッカル姫野”が、真のワールドクラスになるために必要なのは、元日本代表の大西将太郎氏いわく、「世界での経験と語学力」。仮に今後、キャプテンとして多国籍軍のジャパンをまとめる役割を担うなら、なおさら英語はいち早く身につけておくべきだろう。
それでも、「とても吸収力の高い、ある意味で本当にピュアな選手」(大西氏)という姫野なら、きっと4年後には「世界最高のナンバーエイト」としてW杯のピッチに立っているに違いない。
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「今いる場所、与えられた地位の幸せに、まず思いを巡らすことだ」
確かに、己の実力もわきまえずに海を渡り、これといった成績も残せぬまま傷心の帰国を余儀なくされた選手は、野球界だけでなくサッカー界にも少なくない。
けれど、ここに取り上げた5人は違う。彼らはこぢんまりとした、ただ居心地の良い名声を与えられただけで満足するような、そんな器ではないのだ。
いつの日か、姫野がワールドラグビー選定の年間最優秀選手賞に、村上がMLBの本塁打王に、望月が日本人男子初のグランドスラム王者に、八村がNBAのファイナルMVPに、そして久保がバロンドールに輝く──。そんな壮大な夢を見させてくれる、規格外の5人なのだ。
もちろん、それぞれに克服しなくてはならない課題があれば、ケガなど不運に見舞われ、行く手を阻まれるリスクもあるだろう。それでも、彼らがトップ・オブ・ザ・トップに上り詰める可能性は、決してゼロではない。見る目のない、無責任な元サッカー雑誌編集者だが、こればかりは責任をもって断言する。
(企画構成:YOJI-GEN)