鈴木誠也は序盤から流れを感じ取っていた プエルトリコ戦・勝負を分けたポイント

中島大輔

高橋礼がいい流れを感じ取った瞬間は?

先発の高橋礼は6回2死までパーフェクトピッチング。国際大会に強いサブマリンがまた一人生まれた 【写真は共同】

 序盤の膠着(こうちゃく)状態で盗塁を仕掛け、バットで貴重な3点をもたらせた4番の鈴木とともに、勝利の立役者になったのが先発の高橋礼(福岡ソフトバンク)だった。

「真っすぐをしっかりインコースに投げ切れました。詰まらせたり、内野ゴロを打たせたりしたところで、自分の持ち味をしっかり出せているのかなというのはありました。高低にしっかり投げられたのが一番大きかったと思います」

 いつも通りテンポのいい投球で、6回2死までパーフェクトピッチング。そこに至るいい流れを感じ取ったのは、プレーボール直後だった。

「1イニング目で内野ゴロが3つだったので、たぶん真っすぐを狙ってきているけど打球が上がらないような日なのかなと思いました」

 130キロ台の速球で高低自在に押しながら、シンカーを効果的に使って緩急をつけていく。プエルトリコ打線を6回無失点と完璧な内容で封じ込め、大きな仕事を果たした。

 投打の主軸が活躍しての勝利に、稲葉篤紀監督は試合後の会見でこう話している。

「先発の(高橋)礼が6回まで非常に素晴らしいピッチングをしてくれて、7回以降もいろいろな投手を使いながら、結果的にみんなが0点に抑えてくれました。相手のミスで点は入りましたけど、その後4番に(鈴木)誠也がいるのが勝ちにつながる上で非常に大きかったと思います」

 オープニングラウンドで侍ジャパンは2連勝を飾り、スーパーラウンド進出が決定。7日には台中に移動し、台湾との全勝対決に臨む。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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