大一番を制した日本代表のアタック戦術 データで振り返るスコットランド戦
攻守に活躍したCTBラファエレ
攻守に高いレベルでプレーし続けるCTBラファエレ ティモシー 【Photo by Yuka SHIGA】
またキックの回数は31本蹴ったサモア代表戦の1/3となり10回(266メートル)、スコットランド代表は22回(546メートル)も蹴った。相手のキック戦術がさほど有効ではなかったのは、WTB松島、福岡がしっかりとハイボールや裏へのボールをキャッチしていたことが要因のひとつだ。
ティア1のような強豪と対戦するときは、やはりセットプレーが互角ではないと戦えない。マイボールスクラムは86%(5/6本)、ラインアウトは80%(4本/5本)の成功率と十二分に健闘したといえよう。スクラムは、特に前半は日本代表が押していた。また相手のラインアウトは11回(100%の成功率)あったが、ジェイミー・ジョセフHC直伝のモールディフェンスが光り、相手の得点パターンのひとつだったドライビングモールでトライを許すことはなかった。
38歳のLOトンプソンが見せた激しいタックル
中央のFLリーチ マイケル、LOジェームス・ムーア(右)とタックルするLOトンプソン ルーク 【Photo by Yuka SHIGA】
タックル回数はLOトンプソン ルークと、FLピーター・ラブスカフニが20回で最多タイだ。38歳でワールドカップ日本代表最多13試合出場の記録を更新したトンプソンのすごみは、タックルミス0回で成功率100%、さらに相手を反対側に倒し切るドミナントタックルも5回と両チーム最多だったことだ。
また日本代表のペナルティが7回と規律を守れていたことも特筆すべきだ。前回大会で大敗したときは4本のPGを決められたが、ゲーム展開もあって、プレースキックが武器のSHグレイグ・レイドローにPGを決められることはなかった。
アタッキングマインドと攻撃戦術が合致
台風の影響で開催が危ぶまれたが、横浜国際総合競技場には多くのファンが集まった 【Photo by Yuka SHIGA】
予選プール4連勝で勝ち点19はウェールズに並びトップタイの数字であり、日本代表は堂々とプール1位でベスト8進出を決めた。10月20日、東京スタジアムで優勝2回の強豪、プールB2位南アフリカ代表と激突する。ジェイミージャパンは、日本ラグビーの歴史をさらに塗りかえることができるか。