オールブラックスに見た「ラグビーの理」 サッカー脳で愉しむラグビーW杯(10月2日)
ラグビーにおける絶望的なまでの実力の格差
さらに後半7分、10分、16分にもトライに成功。そのたびにスタンドオフのモウンガが、きっちりとコンバージョンを決めてみせる。これでスコアは63-0。いくら相手がニュージーランドとはいえ、10回もトライを決められたら、さすがにカナダもプライドが許さないだろう。「カナダ! カナダ!」というコールと手拍子が沸き起こる中、メイプルリープス(カナダ代表の愛称)は絶対的強者に果敢に立ち向かっていった。結局、63-0で試合終了。最後まで敢闘精神を見せたカナダには、勝者と同じくらいの拍手が送られた。そしてMOMに選ばれたのはモウンガ。納得である。
別格の強さを見せたオールブラックスが勝利。あらためてラグビーの世界での「格差」を実感する 【宇都宮徹壱】
大会前、なぜラグビーW杯の出場チーム数が20なのか、ずっと不思議に思っていた。あと4チーム増やせば、日程の有利・不利も解消できるのに、とも思っていた。しかし今回のゲームを見て、実は20チームというのは絶妙な数字であるように思えてくる。ティア3(途上国)のチームまで出場したら、ティア1のチームに3桁失点を食らう可能性も十分にあり得るだろう。強豪国の予選免除も含めて、ラグビーにはラグビーなりの理(ことわり)がある。それを示したのが、大分でのオールブラックスであった。