連載:エディー・ジョーンズが語るラグビーW杯の記憶

エディーと日本ラグビー、冒険の終わり「3勝を挙げた。誇りに思うべき」

竹鼻智
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2015年イングランド大会・後編

第2戦のスコットランド戦は黒星。南アフリカ戦のダメージは心身ともに大きく、難しい試合となった 【写真:ロイター/アフロ】

 外国人監督でありながらも日本人の特性を理解し、その問題点を歯に衣着せぬ物言いで指摘。それだけではなく、長所も見いだし、それを世界と戦うための武器として昇華させる。「ジャパンウェイ」というキーワードは、体格で劣る日本のチームが世界の強豪と戦うための戦略を明確化し、これを選手たちに落とし込むためのキャッチフレーズとして生まれた。さらに、この大会に挑んだ日本代表には、これまで1勝21敗2分けという、ワールドカップ(W杯)での日本代表の「歴史を変える」という使命も背負っていた。

 自らの仕事に対する徹底したこだわりで周囲を引っ張り、選手たちには徹底したハードワークを要求。第二の祖国と呼ぶ日本の代表チームを率いて臨むW杯に、名将はどのような思いを胸に挑んでいたのだろうか。

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スコットランド戦は最も厳しいと見ていた

――すさまじいほどに厳しい鍛錬で選手を鍛え上げたことで知られますが、これは日本の選手がどんなに厳しい鍛え方をしてもついて来ると分かっていたからですか?

 それもありますが、何よりも、南アフリカに勝つためにはこの域に達していなければならない、というレベルを設定し、そこにたどり着くためには何をすればよいかを考え、準備合宿での練習内容を決めました。まず、肉体的なフィットネスレベルをかなり高いレベルまで上げていかなければなりません。試合中に起こる厳しい状況に対して、正しい判断を下す精神的なタフさも必要です。

――南アフリカ戦の試合会場へ向かうバスの中では、緊張のあまり気分が悪くなったそうですが、これだけの経験を積んでいても大舞台では緊張するものですか?
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著者プロフィール

1975年東京都生まれ。明治大学経営学部卒、Nyenrode Business Universiteit(オランダ)経営学修士。2006年より英国ロンドンに在住し、金融機関でのITプロジェクトマネジメントとジャーナリストの、フリーランス二足の草鞋を履き、「Number Sports Graphics」(文藝春秋社)、「ラグビーマガジン」(ベースボールマガジン社)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞社)へのコラム執筆など、英国・欧州の情報を日本へ向けて発信。

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