連載:エディー・ジョーンズが語るラグビーW杯の記憶

エディージャパン「奇跡」を起こす準備 ハードワークとメンタルと、勝利を

竹鼻智
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2015年イングランド大会・前編

エディー監督に率いられた日本は初戦で南アフリカに勝利。史上最大の番狂わせを演じ、世界を驚かせた 【写真:ロイター/アフロ】

 ニュージーランドの史上初の2連覇、開催国として史上初の予選プール敗退となったイングランド、そして史上最大の番狂わせとも言われる、日本が南アフリカを破った「ブライトンの奇跡」。ラグビーの母国で行われた2015年イングランド大会は、観客動員数、経済効果などのビジネス面での記録を更新しただけでなく、ファンの記憶にも強く残る大会となった。

「ジャパンウェイ」をスローガンに、厳しい鍛錬に支えられた独自の戦い方で大会に旋風を巻き起こした日本代表を率いたのは、エディー・ジョーンズ監督。日本国内でのラグビーの認知度を上げ、日本ラグビーの実力を、世界に堂々と知らしめることとなったこの大会への道のりは、どのようにして始まったのだろうか。

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私にしかできない、特別なことができる

――前任のジョン・カーワン監督の契約期間満了の後、11年12月に、自身のもとへこの仕事のオファーがありました。当時指導していたサントリーでの監督の職を去ることに、心残りはありませんでしたか?

 心残りということはありません。私自身、新しい挑戦へ向けて、ここで環境を変えることはいいことだと思いました。最後のシーズンにトップリーグ制覇という素晴らしい戦績を残せたこともあり、サントリー側は気持ちよく送り出してくれました。何より、日本代表を指導するという仕事は、日本ラグビーに貢献する上で、素晴らしい機会で、これは受けるべき話だと思いました。

――日本代表監督の仕事は、03年にも一度オファーを受けていますが、当時はオーストラリア代表監督の仕事を継続するという選択を下しました。再び巡ってきたこの縁に、何か思うところは?
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著者プロフィール

1975年東京都生まれ。明治大学経営学部卒、Nyenrode Business Universiteit(オランダ)経営学修士。2006年より英国ロンドンに在住し、金融機関でのITプロジェクトマネジメントとジャーナリストの、フリーランス二足の草鞋を履き、「Number Sports Graphics」(文藝春秋社)、「ラグビーマガジン」(ベースボールマガジン社)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞社)へのコラム執筆など、英国・欧州の情報を日本へ向けて発信。

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