「2歳ステークス」優勝馬のその後を追跡 札幌王者は以前ほどGIに直結しない?
札幌2歳ステークス優勝馬の、その後の実績(2012年以降)
表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
本競走は1997年より芝1800mで行われており、以来、2000年のジャングルポケット、08年のロジユニヴァースと、優勝馬から後の日本ダービー馬2頭を輩出。また、05年には後にジャパンCなどを制するアドマイヤムーンが、ここで重賞初制覇を飾っている。ただ、いずれもこのレースが9月下旬から10月上旬に行われていた時代の優勝馬だ。
現在の時期になった当初は、12年のコディーノが朝日杯FSで2着に入り、翌春の皐月賞では3着。そして13年のレッドリヴェールが阪神JFを制し、桜花賞でも2着と、時期が繰り上がってもさほど大きな影響はないように思われた。しかしその後は今のところ、以前ほどの結果は残せていない。これは本競走の施行時期変更のためか、北海道以外でも早い時期から芝中距離の新馬・未勝利戦が行われるようになった影響なのか、あるいは時期変更からまだ7回で単なるサンプル不足なのかは、定かではない。
そんな中、昨年のニシノデイジーは芝2000mのホープフルSで3着、そして2400mの日本ダービーでは5着に食い込んだ。今後、G1で活躍する馬が現れるならば、やはりジャングルポケットなどと同様、芝中距離以上の路線が中心になることだろう。
新潟、小倉、札幌2歳ステークス2着以下、後の中央平地G1で3着以内の好走馬(2009年以降)
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
このうち、後にG1を制した7頭を見ると、マイネルホウオウを除く6頭はこの「2歳ステークス」(すべて新潟か札幌)で2〜4着に入っていた。表1〜3にあったように、ここを勝ったからといって後のG1に直結するわけではないが、後にG1を勝つほどの馬ならある程度の走りは見せる。それがこの「2歳ステークス」3競走である。特に小倉2歳ステークスの出走馬が後にG1を制するためには、ここでもぜひ勝利が欲しいところだ。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。