大野倫は「球数制限」をどう考える? 「選手も大人も守るためにルール化へ」
ルールで選手を守ってほしい
地元・沖縄で子供たちへ野球の普及活動をしている大野氏 【松尾祐希】
後悔は全くないですね。やはり、自分が小さい頃から夢を見てきた甲子園のマウンドなので。あとは背番号1の責任感。それがあって、試合中は自分の肩や肘を守ることまでは、考えられないですよね。一瞬一瞬の勝負に必死なので、秋のドラフトを考えながら投げるピッチャーはいない。一緒に仲間たちと3年間の集大成として戦いたい。だからこそ、甲子園まで勝ち上がれた。ワンマンピッチャーであれば、予選で負けていたはずです。なので、選手たちの想いをコントロールしないといけない。放っておけば、選手は投げるに決まっている。「大丈夫か?」と聞けば、「大丈夫」と言うし、「行けるか?」と聞けば、「行けます」と言います。
――高校で燃え尽きたいという想いを持った子も中にはいると言われます。
僕もプロを目指していましたけど、甲子園を目指す時は考えられなくなりましたね。母校のためにという想いが強いので。あとは夢にまで見た甲子園に出たかったんですよね。
――実際に投げていて、「体が重たいから投げられないな」というのはなかったんですか?
きつくても投げられます。それが甲子園というところなので。
――仲間の想いがそうさせるんですね。
そうなんです。でも、ルールがあれば、そういう感情からも守られる。最後まで投げさせようとはならないんです。だから、ルールを作ったほうがいい。そこに尽きますね。