大船渡・佐々木と國保監督の人間性 最後は登板なしも、垣間見えた覚悟

ベースボール・タイムズ

本人は監督の判断に感謝「将来活躍しなきゃ」

岩手大会では4試合に登板、435球を投じた佐々木 【写真は共同】

 國保監督の取材後、会見場に姿を表した佐々木。

 試合後の心境を聞かれると、少しうつむきながら「みんな頑張ってくれたので、誇らしく思います」と答えた。そして、登板できなかったことについては「監督の判断なので」と、多くを語らず。しかし、國保監督が、自分の体のことを気遣って重大な判断をしてくれたことについては「ありがたいことだと思っていますし、自分も将来活躍しなきゃ」と返答。投げたい気持ちはあったかという質問には、「高校野球をやっている以上勝ちたいと思うので、投げたい気持ちはありました」と本音が漏れた。

 今後については、まだ何も考えられないと話した佐々木。それでも、8月下旬から韓国で行われる『U-18ベースボールワールドカップ』の日本代表に選ばれる可能性もある。それについては、「そういう機会をいただけるのであれば頑張っていきたいです」と、前を向いた。

 4試合で435球、51奪三振、失点は2。佐々木は超高校級と呼ぶにふさわしいピッチングを見せてくれた。

 力感のない投球フォームから150キロ超の直球と130キロ台の変化球を投げ分けて、打者を翻弄(ほんろう)した。まだ100%の力で投げていないというから、今後体が成長し、100%の力で投げられるようになったら、どんなピッチングをするのか。期待は高まるばかりだ。

194球力投の後にあった、印象深い出来事

 また、投球の内容もさることながら、自分が登板しなかった試合でも取材に応じ、どんな質問にも嫌な顔をすることなく答える姿が本当に印象的だった。

 なかでも、盛岡四戦の後の対応が印象に残る。194球を投げ、疲労困憊(こんぱい)のなかで取材に応じるとき、大会関係者は体を心配して、椅子を用意していた。だが佐々木はそれに座ることなく、立ってインタビューに対応。この姿を目の当たりにし、佐々木がどんな成長をするか、今後も追いかけてみたいと思ったのは、正直な気持ちだ。

 本人は明言をしなかったが、日本または世界の舞台でプロとして大活躍することは、多くの人が望んでいることだ。中学時代から一緒にプレーしてきた捕手の及川惠介も「上のレベルで戦うピッチャーだと思うので、朗希自身、成長していってほしい」とエールを送った。

 野球に没頭した高校時代で、目標に向かって頑張ること、一緒に頑張る仲間の大切さを学んだという佐々木。高校生として甲子園の舞台に立つ姿は見られなかったが、近い将来プロの選手として、甲子園はもちろん、全国のさまざまな球場で活躍する姿を見せてくれるに違いない。

(取材・文:松野友克/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

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プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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