連載:真夏の日本一はどう決めるべき? 現場からの生の声

東福岡・志波総監督がインハイに持論 「高体連から外れれば、迅速に動ける」

松尾祐希

登録人数増と試合時間増は必要不可欠?

まずは「(選手)エントリーの枠を増やし、最低でも80分で戦って、2日やって1日空けるレギュレーションにする」ことが先決とコメント 【松尾祐希】

――もう一つの改善策として話題にのぼっているのが、開催地の変更や固定です。その考えについてはいかがですか?

 暑さが厳しくないエリアに開催地を固定するのは難しいと思います。本来なら一番それが良いけれど、特定の地域で毎年実施すると、運営する都道府県が大変。それは選手権を見ていてもそう。実際に選手権を開催する東京、神奈川、埼玉、千葉は、サッカーに関わっている人が正月に休めない。だから、それは大変だろうなと。それは気の毒すぎる。

――となると、避暑地に開催地を動かすのは現実的ではないのでしょうか?

 そうですね。本来であれば、避暑地にサッカーだけは移して、東北や北海道でやれたらなと。涼しいのでそういう気持ちはありますけどね。

――現行のレギュレーションは変えられないのでしょうか?

 簡単にはいかないですね。高体連としての考えがあるのでしょうから。

――そういう意見とかをフィードバックしたり、吸い上げる機会はこれまでありましたか?

 僕もサッカー専門部の方にお話をした経験がある。少しでも良い方向に向かうように意見は出しました。

――つまり、現行のルールで大会を開催するのであれば、レギュレーションを見直さないといけないという事ですか?

 そう。はっきり言えば、高体連にサッカー競技が所属しているけれど、サッカー競技が高体連から外れれば、迅速に動ける気がします。

――高野連のように高サ連を作るという事ですか?

 それが一番ですね。高体連から外れないといけないので、日本サッカー協会が後押しできるかどうかも重要になる。そうすれば、ルールやレギュレーションの改正に対して判断が早くなるんじゃないかなと思います。

――となると、インターハイの開催方法としては何がベストなのでしょうか?

 まずはエントリーの枠を増やして、選手の登録数を20人にすること。そして少しでも良いコンディションを維持して戦わせつつ、90分に近い状況でサッカーをさせたいので、70分ではなく最低でも80分で戦って2日やって1日空けるレギュレーションにする。それが組み込まれれば、良くなるんじゃないかと思います。

志波芳則

1950年12月1日生まれ。福岡県出身。福岡商高(現福翔高)を経て、日本体育大を卒業後に指導者の道へ。1976年に東福岡高の監督に就任すると、就任4年目に選手権初出場を果たした。1999年度には本山雅志(現北九州)らを擁して高校サッカー選手権、インターハイ、全日本ユース(現高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ)の3冠を達成。翌年も選手権を制し、2連覇を成し遂げた。現在は総監督として指導にあたり、2014年度にはインターハイを制し、翌年には高校サッカー選手権とインターハイのタイトルをつかんだ。S級ライセンス保持する名将は、68歳を迎えても精力的にグラウンドへ足を運んでいる。

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著者プロフィール

1987年、福岡県生まれ。幼稚園から中学までサッカー部に所属。その後、高校サッカーの名門東福岡高校へ進学するも、高校時代は書道部に在籍する。大学時代はADとしてラジオ局のアルバイトに勤しむ。卒業後はサッカー専門誌『エルゴラッソ』のジェフ千葉担当や『サッカーダイジェスト』の編集部に籍を置き、2019年6月からフリーランスに。現在は育成年代や世代別代表を中心に取材を続けている。

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