連載:アスリートに聞いた“オリパラ観戦力”の高め方

美しき蹴女・松井優茄が語る観戦ポイント テコンドーの醍醐味は華麗な足技の応酬

C-NAPS編集部

心を打たれるのは体格のハンデを感じさせない勇敢な選手

背が高く手足が長いと有利なテコンドーで、小柄な選手のファイトは胸を熱くする 【写真:C-NAPS編集部】

 テコンドーは日本での競技人口はまだまだ少ないですが、海外では人気のあるスポーツの一つです。特に国技としている韓国では盛んですし、対戦相手も手強いですね。中国も背が高い選手ばかりをそろえていますし、欧州勢も手足が長くパワーがある選手が多いので苦戦を強いられることが多々あります。一般的に言われていることですが、テコンドーは背が高くて手足のリーチが長く、体重が軽い細長い体型の人が有利になります。その方が相手の攻撃を受けにくく、反対に有効打を浴びせやすいので。

 そんな高身長の選手が有利なテコンドーだからこそ、小柄な選手は応援したくなります。体格差を補うためにもスピードを磨き、打ち合いのできる体力をつけるなど、一線級で活躍するために人一倍の努力をしているんだと。テコンドー女子の五輪の階級は49キロ級、57キロ級、67キロ級、67キロ超級の4つのみとなるので、私も普段の46キロ級ではなく49キロ級での出場を目指すことになります。3キロの違いでも背が高くパワーがある選手が増えるので、そうした選手に負けないように体づくりに励んでいます。

姉弟3人で目指す「東京五輪」の夢舞台

隆弥(左)と隆太(中央)の2人の弟も共に五輪を目指すテコンドー選手だ 【写真提供:松井優茄】

 今は2020年1月に行われる東京五輪最終選考会に照準を合わせています。プレッシャーは特に感じていませんし、日々のトレーニングも自然体でこなすことができています。注目されることは嫌いではないので、自分を通じて1人でも多くの方がテコンドーに興味を持ってもらえたらうれしいです。

 私には2人の弟(松井隆弥/武蔵野銀行、松井隆太/日本体育大学)がいるのですが、共にテコンドー選手として五輪を目指しています。やっぱり東京五輪には姉弟そろって出場したいですね。それが松井家の悲願でもあります。でも弟たちは58キロ級で階級が重なるので、2人ともに五輪に行くことはできません。兄弟でありながらライバル同士なんです。でも仲はすごく良いので、夜の練習はいつも3人でしています。これからも一緒に頑張っていきたいと思います。

 テコンドーでは2000年のシドニー五輪の岡本依子さん以来、日本勢はメダルを獲得できていません。ハードルはとても高いのですが、形勢逆転が狙える競技の特性からしても、「五輪に出場できれば誰にでも勝つ可能性はある」と思っています。五輪本番では日本勢の活躍を応援していただければうれしいです。応援は選手に確実に力を与えてくれます。

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著者プロフィール

ビジネスとユーザーを有意的な形で結びつける、“コンテキスト思考”のコンテンツマーケティングを提供するプロフェッショナル集団。“コンテンツ傾倒”によって情報が氾濫し、差別化不全が顕在化している昨今において、コンテンツの背景にあるストーリーやメッセージ、コンセプトを重視。前後関係や文脈を意味するコンテキストを意識したコンテンツの提供に本質的な価値を見いだしている。

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