降級制度の廃止で夏競馬の馬券傾向は? 条件戦で苦戦の4歳馬、重賞では注目か
本年の平地「3歳以上」重賞の1〜3着馬
表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
2017〜19年、平地「4歳以上」戦、年齢・条件別複勝率
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
この「4歳以上」の時期から夏競馬になると、多くの4歳馬はさらなる成長を見せる一方、高齢馬は徐々に衰えていく。さらに降級制度の廃止でもともと通用していた4歳馬が降級しなくなったとなれば、今夏の重賞で4歳馬が大活躍していることも、まったく不思議ではない。昨年までは「クラス分けの賞金」で降級馬が決まっていただけのことで、決して力不足の馬ばかりが降級していたわけではない、と考えるのが妥当だろう。また、3歳馬の進出も2〜3勝クラスより重賞のほうが遅くなるため、例年を上回る4歳馬の好成績はしばらく続くと予想される。重賞で「過去10年の傾向」などを調べても、年齢別の成績はまったくアテにならない可能性があることには注意したい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。