存在感示すもう一方の“ディープ産駒” リフレッシュ明け出走で穴を狙え

JRA-VANデータラボ

ディープブリランテ産駒の前走距離との比較別成績(芝)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表3は、今回の距離と前走距離を比較した場合の成績。まず単純に今回延長と今回短縮を比べると、短縮の方が成績はいい。また、500m以上の延長・短縮を見ても、延長は【0.0.2.28】という成績だった。表2では中長距離の成績がいいことがわかったが、距離延長ではいい結果を出してはいなかった

 この結果から言えるのは、ディープブリランテ産駒全般が中長距離向きではないということだろう。むしろ短距離から長距離まで幅広いタイプが出るのが特徴。ただ、中長距離を主戦場としている馬の方が、安定した成績を残しているということではないだろうか。

ディープブリランテ産駒の競馬場別成績(芝)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表4は競馬場別成績。こちらからも興味深い傾向が出た。まず、札幌と函館の成績が非常に悪い。つまり洋芝で少し力がいる馬場を苦手としている。レース条件を見ると、年齢で成績の偏りはない。例えば、2歳限定戦だけ成績が悪いのであれば、「仕上がりが遅い」と言えるのだが、そうではなかった。

 一方、良績を残しているのが中京。【13.9.9.68】で勝率13.1%・連対率22.2%・複勝率31.3%となった。同じローカルでは、新潟の成績も比較的良い。中央場所では中山よりも東京の方が連対率・複勝率はいい。京都と阪神は互角に近い成績。つまり、広々とした左回りのコースを得意としている。このあたりは、同じサンデーサイレンス系の種牡馬であるハーツクライに少し似ている印象だ。

ディープブリランテ産駒の間隔別成績(芝・10番人気以下)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に配当的な妙味がある狙い方を紹介しよう。表5はディープブリランテ産駒の間隔別成績で、10番人気以下の馬のみを集計したもの。前走からの間隔が10〜25週の場合、【3.3.1.60】という成績だ。連闘から9週の成績と比較すると、明らかに違う。つまり、適度な間隔で使われている馬よりも、少し間隔をあけた方がいいというわけだ。半年以上の休みは【0.0.0.12】、初出走馬が【0.2.2.50】なので、長い休養が好ましいかは微妙だが、半年以内の休養であれば歓迎。短期の放牧などを挟み、リフレッシュしてきた馬が穴をあけるパターンが多いことを覚えておきたい。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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