コパ・アメリカ2019連載

森保ジャパン初採用の3−4−3を考える 戸田和幸氏が徹底分析

構成:飯尾篤史
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対人能力が高く、ボールを持ち運び、フィードも放った冨安。コパ・アメリカでも攻撃の起点となることを期待したい 【Getty Images】

 6月上旬のキリンチャレンジカップで3−4−3を初導入した森保ジャパン。ここでは第2戦のエルサルバドル戦でテレビ中継の解説を担当した戸田和幸氏に、3−4−3について分析してもらった。コパ・アメリカへは22歳以下の選手たちを中心に臨むものの3−4−3で戦う可能性が高いため、コパ・アメリカを観るうえで、戸田氏によるエルサルバドル戦の分析は大きな意味を持つはずだ。

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チーム作りが次のフェーズに入ったことを感じさせた継続性

 森保一監督が代表監督に就任して初めて3−4−3が採用されたキリンチャレンジカップのエルサルバドル戦で、テレビ中継の解説を担当しました。ここでは中継で話しきれなかったことを中心に、3−4−3について分析したいと思います。

 エルサルバドル戦について語るには、まず4日前に行われた第1戦からのストーリーを踏まえる必要があります。

 トリニダード・トバゴ戦では、相手が守備時に3枚も前線に残すなど奇抜なスタイルだったため、中盤までは簡単にボールを運べる状況でした。では、そこから先の攻撃のクオリティはどうだったのか。スペースへの意識が希薄で、個人としてゴールを奪いに行く意識が強く、ウイングバックの立ち位置もやや低すぎるように感じました。

 2シャドーのポジショニングについても慣れの問題だと思いますが、やや自由すぎるように感じました。

 後半中頃くらいからでしょうか。立ち方のバランスも良くなり、相手を横に揺さぶるなかで相手のサイドバックを引っ張り出してワンツーで突破し、クロスを入れたりするようになってきた。ウイングバックの立ち位置も、状況に応じて変えられるよう整理されてきたように見えました。

 初めて3−4−3で臨んだ第1戦を経てエルサルバドル戦を迎えたわけですが、GKはシュミット・ダニエル、3バックには冨安健洋、昌子源、畠中槙之輔と、第1戦と同じメンバーが起用されました。
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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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