「黒船」ONE Championshipが見せた日本への敬意と本気度

長谷川亮

いずれは「1年に12大会を開催したい」

試合後の会見で満足気な表情を浮かべるのは、団体を率いるチャトリCEO 【写真提供:ONE Championship】

 大会も周到な準備だけでなく、4階級ものタイトルマッチを用意したところに“武道の国”日本に対する敬意、そして進出への本気度が伺える。だが、第4試合でV.V Meiが一本勝ちして以降は秋元皓貴、仙三、若松佑弥、長谷川と日本勢の敗戦が続き、ファンにONEのレベルの高さを目の当たりにさせた。またアンディ・サワー、アルバレスといったなじみのファイターが敗れる意外性、タイトルマッチも1試合以外KO、一本による明確な決着となり、大会後のチャトリCEOは客入り、大会内容とも満足げな表情を浮かべた。

 今年は10月にも日本大会を行うONEだが、来年は4大会を計画し、ゆくゆくは年12大会を行いたいとチャトリCEOは宣言。さらに国内の新空手、修斗、パンクラスとも提携し、選手の発掘にも注力し長期的展望にも抜かりがない。

 1年前からの定期放送、会見、ワークアウトと様々な催しはあったものの、今大会がONEにとって一番のプロモーションとなったのは間違いない。大会タイトルは「NEW ERA」=「新時代」で、チャトリCEOも大会後に「始まり」を強調したが、今後ONEが日本における存在感をさらに強めていくだろう勢いとエネルギーを感じさせる大会だった。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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