オリ・吉田正尚が侍デビュー弾を狙う “和製ハーパー”の豪快スイングに期待

BASEBALLGATE

課題の腰痛を乗り越えて飛躍

“和製ハーパー”こと吉田正尚が、持ち前のフルスイングでアピールを狙う 【写真は共同】

 侍ジャパンの新たな主砲として期待されるのが、オリックスの吉田正尚だ。プロ3年目の昨季は全試合出場を果たし、打率3割2分1厘、26本塁打、86打点の好成績。初のベストナインにも選出された左の大砲が、プロ入り後初の代表メンバー入りを果たした。

 出身は福井県福井市。県内の名門・敦賀気比高へ進学すると、1年夏から4番打者として甲子園に出場。2年春には開会式直後の開幕戦で3安打を放ってチームの勝利に貢献するなど、ベスト8の原動力となった。進学した青山学院大でも1年春からクリーンアップの一角を担い、4年秋には2部リーグながら三冠王を獲得。侍ジャパン大学代表の一員として2年時に日米大学野球、そして4年時にはユニバーシアード大会に出場し、主に4番打者として優勝に貢献した。U−18日本代表との壮行試合でも2打席連続本塁打を放つなど、その長打力を遺憾なく発揮していた。

 身長173センチと、プロ野球選手としては小柄と言える。それでもプロ屈指の飛距離を誇るのは、体全体を目一杯使ったフルスイングが要因だ。ただ、その代償とも言えるのが慢性の腰痛で、プロ1、2年目に60試合程度の出場数にとどまった原因にもなった。しかし、その中でも2年連続で2ケタ本塁打を記録してポテンシャルの高さは示していた。高橋由伸(元巨人)など数多くのアスリートを執刀した名医の手術を受けて臨んだ昨季、ついに初のシーズンフル出場を果たすと同時に、球界を代表するスラッガーに成長した。

指揮官も「あれだけ飛ばす選手はそういない」

 稲葉篤紀監督から「あれだけ飛ばす選手はそういない」と、その長打力を評価され、早い段階から東京オリンピックを見据えた強化選手に指定されていた吉田。17年のアジアプロ野球チャンピオンシップを体調面の不安で辞退しており、今回は満を持しての初代表となる。メキシコ戦へ向けて、「今の自分の力を最大限に発揮してベストを尽くします。本拠地京セラドームでの試合。いいところを見せられるように頑張ります」と意気込んでいる。

 MLBを代表する左の強打者で、今オフに米国スポーツ史上最高額となる13年3億2500万ドル(約363億円)でフィリーズと契約したブライス・ハーパーを「憧れの対象で目標の選手」に挙げている吉田。稲葉監督は今チームで岡本和真(巨人)の4番起用を公言したが、その後を打つポイントゲッターとして期待される存在である。本拠地に豪快なアーチを架けられるか、世界を見据える若き侍の代表デビューに注目だ。
◆◆◆侍ジャパンシリーズ2019 日本vs.メキシコ◆◆◆
3月9日(土) テレビ朝日系列(全国ネット) 18:56〜21:54 生中継
※21:54〜BS朝日にてリレー中継 ※試合終了時はハイライト
https://www.tv-asahi.co.jp/baseball_japan/#/

3月10日(日) TBS系列(全国ネット) 19:00〜20:54 生中継
※20:53〜BS-TBSにてリレー中継
http://www.tbs.co.jp/samurai-japan/m0211.html
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