メキシコ野球の特徴、現状を探る 侍Jにとっては“最高のパートナー”?
かつてロッテなどでプレーしたクルーズなど、日本人にとってもなじみのあるメキシコ代表。今回の侍ジャパンシリーズには、自国リーグの選手が多く来日している 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
来日した助っ人外国人を通じて得た、何らかの印象を持っている人はいるかもしれない。だが、直接メキシカンリーグについて何かを知っている人となれば、かなり少数になるのではないか。
今回日本にやってくるメキシコ代表は、ほぼメキシカンリーグ所属の選手で構成されるため、知っているようで知らない同国の野球を知る数少ない機会だ。
本稿では代表チームだけでなくリーグ自体の特徴などにも触れながら、侍ジャパンとのシリーズを展望していきたい。
「打高投低」のリーグ、その理由は?
時に4割打者が誕生したり、規定打席に到達した3割打者が50人を超えたりなど、打高を示すデータはたくさんあるが、3割台後半のアベレージを引っさげて来日した何名かの助っ人外国人選手が、日本では活躍できなかったイメージが強い人もいるかもしれない。
打高投低とは基本的には投手の層の薄さから生じるものだが、メキシカンリーグの場合は違った事情がある。投手側に問題があること以上に、標高の高い都市をホームにしているチームが多く、気圧の関係で打球が飛びやすい環境にあることに起因しているものと見られる。
16チームで構成されるリーグの半数ほどが標高1000メートルを超えるような都市に本拠地を構えており、たとえば埼玉西武のクローザー、デュアンテ・ヒースは2017年に標高2000メートル級にあるプエブラに在籍。ビジターでの防御率が0点台なのに対し、ホームでは7点台と、まるで別人のような成績を記録している。これはかなり極端に数字に出たケースだが、決して投手の実力だけが「投低」の原因ではないことを示している。