近年の傾向から読み解くシルクロードS データ推奨は前走・淀短距離Sの1、2着馬
シルクロードSの前走レース別成績(過去5年)
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
出走数最多の淀短距離S組は15年アンバルブライベンが勝利し、連対率29.4%・複勝率41.2%と優秀だ。昨年以外の過去4年で3着以内に入っており、今年もチェックしておきたい。尾張S組も好相性だが、現在では条件変更されて今年は該当馬がいない。
他ではスプリンターズS組、京阪杯組から連対馬が出ているが、ともに複勝率16.7%と高くない。3着以内馬の前走はすべて1200〜1400mのレースだった。
淀短距離S組の前走着順別成績(過去5年)
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
シルクロードSの前走からの斤量増減別成績(過去5年)
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
今回斤量増の馬は一気に2〜2.5キロ増えるケースで2頭とも連対しており、今回斤量減の馬は1〜1.5キロ減るケースに好走馬が集中している。ハンデ戦の場合はJRAのハンデキャッパーによって斤量を決められるが、前走からの増減やその幅によって傾向が大きく違ってくることが面白い要素といえる。
シルクロードSの種牡馬別成績(過去5年)
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
他にもルールオブロー、ストーミングホーム、トワイニング、マイネルラヴといったミスタープロスペクター系種牡馬から好走馬が出ており、3着以内馬15頭中10頭を占めている。逆にサンデーサイレンス後継種牡馬の産駒は14年ストレイトガール(フジキセキ産駒)の1勝のみで、ディープインパクト産駒も3着以内馬なしなど苦戦傾向にある。
結論
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
人気を集めそうなのは前走京阪杯を勝利しているダノンスマッシュ。前走は内枠に入り好位を追走して抜け出した。ミスプロ系のロードカナロア産駒というのも好材料で、外目の枠に入らなければ今回も勝ち負けできるのではないか。芝短距離界の主役になるためにはぜひとも勝ちたい一戦だろう。
M.デムーロ騎手騎乗で人気になりそうなラブカンプーだが、前走2着と好走したスプリンターズSまで使い詰めで今回一息入ったのがどう出るか。ハンデ54キロも不安材料で、馬体重や当日の気配もチェックしたい。
これまでのデータから推奨したいのが前走淀短距離Sで連対したナインテイルズとアンヴァルの2頭だ。ナインテイルズは2走前の京阪杯で12番人気ながら2着と好走。前走の淀短距離Sは5番人気で見事に差し切り勝ちを決めた。8歳馬だが昨秋から京都芝1200mで安定して力を示しており、今回も高く評価しておきたい。前走から斤量マイナス1キロも好材料だ。
アンヴァルはダノンスマッシュと同じロードカナロア産駒。昨年の前半から夏にかけては不振だったが、3走前のオパールSで復活勝利を果たした。2走前の京阪杯4着、前走の淀短距離S2着と京都芝1200mで安定した成績を残している。前走は差し馬が上位を独占する中で2番手から粘って好走しており、今回も期待したい。
他では父がミスタープロスペクター系のティーハーフ、フミノムーンの2頭の追い込みも3着候補の穴として注意しておきたい。
文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。