【物語りVol.128】リーグワン4節 勝ちながら課題を克服していく

東芝ブレイブルーパス東京
チーム・協会

【東芝ブレイブルーパス東京】

東芝ブレイブルーパス東京では、多くの皆さまにクラブのことをより知っていただくために、今シーズンもライターの戸塚啓さんにご協力いただき、選手・スタッフ一人ひとりの「物語り」を発信しています。

「今年の東芝はディフェンスがいい」

苦しい時間帯もありながら、しっかりとリードを守り切りました。
NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2024-25 第4節が1月11日に行なわれ、東芝ブレイブルーパス東京は浦安DRを22対14で退けました。リッチー・モウンガ選手が2試合連続でメンバー外となり、シャノン・フリゼル選手の名前もリストになかったなかで、チームの総合力を示したのです。
 この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは、眞野泰地選手です。アタックとディフェンスの両面で、存在感を発揮しました。
「チームとしては課題も残りながら、勝つことができた。勝って次につなげられるのはいいかな、と。陣地取りのところでちょっとてこずった部分があるので、そこはしっかり整理したい。ディフェンスの部分では良さが出ていると思うし、今年の東芝はディフェンスがすごくいいので、そこは自信になったかなと思います」
 眞野選手自身、鋭いタックルを決めていました。
「結構いい感じというか、いまハマっているというか。相手がアタックに出てくる前にシェイプを見て、ここに来るだろうなというのを予測しながら、そこへパスが来たとき時はしっかり強いコンタクトができるようにしています」
 チームが前半にあげた2つのトライでは、スクラムハーフの池戸将太郎選手からパスを受けて効果的なつなぎを見せました。攻撃面での手ごたえはどうでしょう。
「東芝はボール動かすスタイルなので、 自分もボールを持って動かして走って、どんどんエネルギーというかモメンタムを与えられるように意識しています。将太郎は長いパスを放れるので、それもあってポジショニングを少し変えたりとかはしていました」

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その池戸選手は、公式戦で初めて9番を背負いました。開幕から3試合連続の途中出場を経て、スタートからの出場となりました。
「ここまでメンバーには入っていたんですけど、プレータイムはそこまでなかったので、昨日まではうまくいけるかなって不安があったんです。でも、今日は色々な意味で開き直って、焦ってもしょうがない、とにかく落ち着いてやろうと心がけました」
 東芝ブレイブルーパス東京へ加入後、スクラムハーフに本格的に取り組んできました。「9番」ならではの楽しさや難しさを、試合を通して実感することができているのでしょうか。
「いまは本当にいいパスを放って、ハーフがやらなきゃいけないことにフォーカスするのが精いっぱいなので。楽しむまではちょっとできていない状態です。まだいっぱいいっぱいの感じですが、キックは自分の武器なのでやり甲斐を見出しています。楽しさを感じるには、まだちょっと時間がかかりそうかなと思いますね」
 そう語る表情に、苦しみは浮かんでいない。言葉には手ごたえもにじむ。チームとしても個人としてもスタンダードが高いからこそ、自己評価が厳しいものになるのだろう。

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「小さいところの積み重ねが勝利につながる」

この試合では、ワーナー・ディアンズ選手がリーグワン50キャップを達成しました。22年1月8日の初キャップから、確実に試合出場を重ねていきました。
本人は「早いっすね。早いと思います」と、落ち着いた口調で語ります。「あまり考え過ぎず、自分のプレーにフォーカスしてここまで来られたっていう感じで。東芝ブレイブルーパス東京を選んだのは間違いではなかった」と続けました。
バイスキャプテンの原田衛選手は、ディアンズ選手を「落ち着きがあって賢さもあって、若いけれどベテランのような感じで安心してプレーできます」と話します。周囲の評価は高いですが、ディアンズ選手は冷静に自身を見つめます。
「まだ全然満足していません。もっともっといい選手になりたいので、 色々なところでちょっとずつ成長しないといけない。ボールキャリー、タックル、セットピースもスクラムもラインアウトも。全部ちょっとずつ成長できたら、もっといい選手になれると思います」
 この日の浦安DR戦では、ラインアウトで価値あるスティールを見せました。しかしながら、本人はチーム全体でつかんだ勝利と強調します。
「全部はうまくいかなかったんですけど、小さいところが大きくなって(勝利に結びつく)という。僕だけじゃなくてジェイコブ(・ピアス)もいいラインアウトスティールをしているし、みんなのジャッカルも、いいタックルも、いいボールキャリーも、全部の小さいところが勝利につながったと思います」

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キャプテンのリーチ マイケル選手は、「僕のラグビー人生で、一番しんどかった試合です」と話しました。「ディフェンスの時間が長かったですね。なかなかボールを持って継続できなかった。相手のスタンドオフがどんどん裏へ蹴ってきて、前へ進めない状況を作られた」と続けました。
 前半を12対0で折り返しましたが、後半はトライを許して5点差の時間帯がありました。その時間帯の相手のペナルティでは、ショットで点差を拡げることもできましたが、ラインアウトからトライを目ざす選択が続きました。
その理由について問われると、リーチ選手は前半開始早々のプレーに触れました。7対0で迎えた開始8分、ペナルティゴールを狙った場面です。リードを拡げる意味では現実的な選択肢でしたが、松永拓朗選手のキックは右へ逸れたのでした。
「最初の段階でショットを狙ったのは、良くなかったかな。メンタリティは(ラインアウトからトライを狙うように)もうちょい強気でやっていく。これは反省点ですね」
 開幕から4連勝を飾りましたが、どの選手も成果より課題を口にします。「こうすればもっと良くなる」という改善点を共有し、チームは推進力を高めているのです。

(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

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著者プロフィール

東芝ブレイブルーパス東京はジャパンラグビーリーグワン(Division1)に所属するラグビークラブです。日本代表のリーチマイケル選手や德永祥尭選手が在籍し日本ラグビーの強化に直接つなげることと同時に、東京都、府中市、調布市、三鷹市をホストエリアとして活動し、地域と共に歩み社会へ貢献し、日本ラグビーの更なる発展、価値向上に寄与して参ります。

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