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監督・主演メイウェザー
日本中が踊らされた巧みな自己演出

メイウェザー劇場の封切りは参戦前から

試合前の不遜な態度から一転、気づけば相手を称える。これもメイウェザー劇場
試合前の不遜な態度から一転、気づけば相手を称える。これもメイウェザー劇場【Getty Images】

『RIZIN.14』、フロイド・メイウェザーは那須川天心を1R2分19秒でTKO。試合後、米国でのカウントダウンに間に合わせるためすぐ帰国すると伝えられていたが、急きょインタビュールームに姿を現した。


「ハッピーニューイヤー!」


 年をまたぎ行われた会見で、メイウェザーは「繰り返しますがこれはエンターテインメント。天心選手はまだ若いライオンで、素晴らしいチャンピオン。まだまだ成長する余地はたくさんあります。今回の戦いは記録に残らないし、これからも頑張ってほしい。私と一緒にリングへ上がってくれた彼に敬意を表したい」とコメント。


 試合前の不遜な態度から一転、気づけば相手を称える、いつもの“メイウェザー劇場”が繰り広げられていた。だが、それはこの会見から始まった訳ではない。思えば11月5日に行われた発表会見、もっと言えば対戦交渉の段階から、この“監督・主演メイウェザー”というべき、メイウェザー劇場は幕を切っていた。

発表会見中のワンシーン。試合当日まで本人の思うがままにスケジュールが変更された
発表会見中のワンシーン。試合当日まで本人の思うがままにスケジュールが変更された【赤坂直人/スポーツナビ】

 とにかくあらゆる物事を自分のペースでしか進めない。発表会見には原色を使ったラフなトレーニングウェアで登場し、写真撮影も長いと思えば早々に切り上げる。予定されていたインタビューも「早く帰りたい」との理由で取りやめとなった。それでいて帰国すると、自身のインスタグラムで一方的に試合のキャンセルを通達。


 発表直後の出来事であり、結果的にプロモーションを進める形となったが、はたしてこれも興行を盛り上げるメイウェザー一流のやり方であったのか。純粋に契約における意思疎通の齟齬(そご)であったにせよ、その言動がより興行を“売る”方向へ導いてしまうのは、やはり“MONEY”を異名に持つメイウェザーたるところなのかもしれない。


 12月に入りラスベガスで行われた会見でもメイウェザーは平然と1時間も遅刻。謝罪の言葉もなかったといい、いざ会見が始まると自論を一方的に展開する独演会状態。言いたいことを言い終えると、ここも自分のタイミングで会場を後にした。

長谷川亮

病弱だった幼少期にプロレスファンとなり、格闘技ファンを経て2002年に格闘技雑誌編集部入りし、2005年からフリーライターに。スポーツナビにはその頃から執筆。病床で何度も読み返したため「プロレススーパースター列伝」は大体暗記。趣味は下手の横好きでキックボクシングとブラジリアン柔術。

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