暗黒の歴史に挑む紅一点グランアレグリア 自滅材料はあるか?朝日杯FS記者座談会

競馬専門紙「優馬」

立ちはだかる重賞ウィナーたち その急先鋒は3戦3勝アドマイヤマーズ

牡馬の意地を見せたいアドマイヤマーズ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

伊利「そんなグランアレグリアの規格外の強さは認めても、連対ですら1989年のサクラサエズリにまで遡らなければならないという牝馬暗黒の歴史があるのも事実ですからね。だったら、マイル戦にこだわって3戦3勝、これまた新馬で負かした相手が新潟2歳Sを勝つなど、ハイレベルの戦いを繰り広げてきたアドマイヤマーズを狙う手です。例年なら堂々の主役を張っているはずの実績なのに、人気もグランの影に隠れているのなら、妙味もあるはずですよ」

須藤アドマイヤマーズは、いかにもダイワメジャー産駒といった体つきなので、極端に時計が速くなるとどうかと思っていたんですが、先週の阪神JFの時計や、日曜の雨予報を考えても、1分34秒台半ばから35秒台の決着になるんじゃないかと。自在性があってパワーも十分に感じますし、前走時よりも動きが良くなっていて上積みもありますね」

広田アドマイヤマーズの前走は、ハナを切って押し切る形となりましたが、逃げ馬不在で押し出されただけで、本来は好位差しのできる馬ですからね。長くいい脚を使えるタイプだけに、陣営も“ある程度流れてくれた方が競馬はしやすい”とのことです。加えて“レース運びが上手で勝負根性も備わっているので、どんな競馬にも対応できる”とも。現時点での完成度の比較なら、何ら見劣りはしないはずですよ」

久光「デビュー戦でそのアドマイヤにハナ差敗れたケイデンスコールですが、道中の位置取りの差もありましたし、内容は上回っていたように思います。その後のアドマイヤの活躍を考えれば、新潟2歳S勝ちの実績以上に評価を上げていいはずですし、スロー濃厚で瞬発力を重視したい組み合わせなのなら、過去3戦でキレにキレまくっているこの馬の出番でしょう」

細川「今回は夏以来の3ヶ月半ぶりとなる点が鍵ですが、フットワークが良くなって十分な成長を感じますよ。初の右回りも、調教では問題なく走れていますし、折り合いが付いて乗り手の指示に素直に従うタイプですからね。陣営も“不安より楽しみの方が大きいし、来年もっと楽しめるような走りを見せてほしい”と、期待を寄せてました」

加茂「無敗のみならずメンバー唯一となる重賞2勝の実績を誇るファンタジストが、そこまで人気にならないのは、距離の懸念やと思いますが、前走などもスローペースを折り合って運べてましたし、調教でも掛かる面は見せない馬。“オンとオフとの切り替えができて普段は大人しいが、レースへ行くと闘争心を出して並ばれても抜かせない勝負根性を発揮する馬。マイルに延びても大丈夫だと思う”という梅田智師の言葉を信じたいですわ」

田崎「ロードカナロアは色々なタイプの産駒を出してますけど、ファンタジストに関しては明らかにスピードタイプだと思いますね。マイルだとよほど恵まれないと厳しいのではないかと……」

持木「同様に初のマイル戦となるアスターペガサスですが、母は8.5ハロンのBCジュヴェナイルフィリーズで2着があり、血統的には克服可能だと思いますね。追い不足の上にテンションも高かった前走こそ敗れましたが、叩いてガス抜きもできたのではないでしょうか」

福田「前走の敗因については中竹師も“急仕上げだった”と、ハッキリ言うてましたわ。“筋肉が付いて馬体のハリも良い”と、前走からの良化は明らかやし、ここ2週のコース追いでは折り合いも完璧。この馬らしい、弾けるようなフットワークが戻ってきてまっせ」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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