暗黒の歴史に挑む紅一点グランアレグリア 自滅材料はあるか?朝日杯FS記者座談会

競馬専門紙「優馬」

穴党の◎が集中 波乱の主役はこの馬だ!

西田「強いグランアレグリアを負かすとすれば、完成度の高い馬よりも可能性を秘めた馬だと思うんですが、それがマイネルサーパスです。抜け出してフワッとするなど、まだ幼い面を残してますが、控える競馬を意識した前走のレコード勝ちは、ようやく自分の形が定まってきて着差以上の強さでした。メンバーのレベルが上がって流れが速くなるのも、この馬とっては競馬がしやすくなるはずです」

吉田マイネルサーパスの前走は、上がり4ハロンのラップが全て11秒台の流れを後方から一気に差し切ったもので、相当な脚を使ったもの。勝った2戦の前半のコーナーリングで宥(なだ)めるのに多少苦労していたことを考えると、内目の枠を引いたことは折り合いを欠くリスクも軽減できるんやないかと思いますね。あとは長距離輸送によるイレ込みなどのダメージがあるのか、パドックでチェックしたいところです」

瀬古「抜け出すとどこへスッ飛んで行くのかわからない危うさはありますが、潜在能力の高さに疑いの余地はないでしょう。前走のきんもくせい特別は、過去には3冠馬ナリタブライアン、記憶に新しいところでもアルフレードがステップにしてここを勝っているように、知る人ぞ知る出世レースですからね」

小桧山マイネルサーパスはステッキに反抗するから使えないらしいんだが、ノーステッキでも前走はレコード勝ちだったんだから、相手が強くなるここでも楽しみはあるよ。雨の降り出しが早まるようなら、アイルハヴアナザー産駒にとっては有利となりそうだしな」

板子「潜在能力の支持者が多いようですが、陣営は意外と控えめで、前走なども内容としては課題が山積みでしたからね。中間は馬なり中心の軽めの調整ですが、運動では負荷をかけているので仕上り自体は良好です。“前走で競馬の形は見えてきた”と、高木師も話していたように、今回も後方から運ぶ競馬となりそうですが、物見などをして集中力を欠く不安は否めませんし、個人的にはアテにしづらいと思ってるんですが……」

山崎「陣営の手応えを感じたのがエメラルファイトですね。前走は“勝った馬が強かったこともあるけど、1800mは少し長いのかもしれない”と、相沢師は話していて、マイル戦になるのはプラスでしょう。2走前の札幌2歳Sも、1着馬と3着馬がその後に重賞を勝つなどのハイレベルで、出遅れて外々を回りながらのコンマ3秒差4着なら能力を示したと言えます。“獣医も文句なしと言ってくれたほどの最高の仕上り。札幌に行った時も問題はなかったし、長距離輸送も大丈夫”と、師はかなり強気でしたよ」

武井エメラルファイトの前走はキレ負けした格好でしたが、理想は淀みない流れで渋太さを生かす形でしょう。グランアレグリアは過去2戦でそういう流れを作っているので、相手としては一番手の評価としたいですね」

目黒「これまた距離延長が鍵になるとはいえ、2戦2勝のニホンピロヘンソンもマークは必要ですよ。テンションが高くなりやすい点を考慮されて前走後は放牧へ出されましたが、ゲート内で暴れるような面もあったので、帰厩後は矯正メニューも交えながら調整されています。その効果か“ゲートはだいぶマシになってきましたし、今のところ落ち着きがあって雰囲気はいいですよ”と安達師も話してました。1週前の坂路で51秒台、今週は馬なりで53秒台と動きは申し分なく“当日のテンションなど課題はありますが、初戦の勝ちっぷりも良かったし、久々は苦にしないはず。距離はやってみないと分からない部分はありますが、落ち着いて臨めればこなせていい”とも。底を見せていない馬でもあり、今年のメンバーなら無視はできない1頭でしょう」

守屋ドゴールは、前走でグランアレグリアに完敗した形とはいえ“我慢が利いてシッカリ脚を使えたし、上がりも勝ち馬をコンマ3秒も上回ってメンバー最速だったからね。離された2着でもいい内容だったと思う”と、黒岩師は振り返ってました。今回についても“重賞勝ち馬や負けなしの馬もいて更に相手は強力になるが、この馬も伸びしろは十分あるからね。実戦3度目でゲートも徐々に上達してくると思うし、グランアレグリアの前や間に何頭入ってくるかわからないが、その差は詰められると思っている。楽しみだよ”と。息の長い末脚は阪神の外回りコースでも生きそうで、押えておく手もありますね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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