今年のマイルCSはGI好走馬が多数激突 過去10年データ分析から浮上する馬は?

JRA-VANデータラボ

前年1、2着馬、今年の安田記念1、2着馬などズラリ

 今週のG1は、秋のマイル王決定戦・マイルCS。今年は、昨年の本競走1、2着馬(ペルシアンナイト、エアスピネル)、本年の安田記念1、2着馬(モズアスコット、アエロリット)のほか、ヴィクトリアMを制したジュールポレール、そしてNHKマイルCの勝ち馬・ケイアイノーテックなど、マイルG1の好走実績馬が数多く出走を予定している。この争いを制してマイル王の座に就くのはどの馬か、過去の傾向を見てみよう。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JV、馬天楼 for データde出〜たを利用した。

前年のマイルCS、同年の安田記念連対馬の成績(1987年以降)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1は、前年の本競走連対馬と、同年の安田記念連対馬が、このレースでどんな結果を残したかを調べたものである(1987年以降の本競走出走馬)。この比較では、同コースとはいえ1年前になるマイルCSよりは、別コースでも約半年前の安田記念連対馬のほうが優勢である。

 しかし、気になるのは表の右に記した過去10年の結果だ。ここ10年の該当馬のうち、優勝したのは、2015年に破竹の快進撃を続けていたモーリスのみ。1987年以降の全体に比べると、近年は明らかに好走確率が低下している。好走馬は出ているため「消し」とまでは言えないが、他馬の逆転や、別路線からの参戦馬が勝利をさらう可能性も十分にあることは頭に入れておきたい。

人気別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 ここからは過去10年の傾向を見ていきたい。まず人気別では、4番人気が4勝を挙げるものの、2〜3着は計1回のみ。1勝止まりの1、2番人気も、連対率や複勝率なら互角以上。ただ、配当妙味も含めると4番人気が一歩リード、という形だ。

 そんな中、やや劣勢な3番人気は、馬券に絡んだ3頭がすべて過去5年から。2番人気も連対した4頭はすべて近5年で、その2〜3番人気も含め、過去5年の連対馬10頭中9頭は2〜4番人気。1番人気は【0.0.2.3】と、連対なしに終わっている。また2桁人気は、過去10年で4頭が馬券圏内に入っているが、過去5年の好走はない。

性齢別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 牡・セン馬の年齢別では、4歳馬が最多の8連対で、連対率も29.6%の好成績。ただ、3着以内の好走馬9頭のうち、2009年のマイネルファルケ(14番人気2着)、2011年のエイシンアポロン(5番人気1着)を除く7頭は、1〜4番人気に支持された馬だった。5歳馬は3着以内11頭と、好走馬数では4歳を上回る。特に4番人気以内に推された馬は【2.3.1.2】複勝率75.0%と、人気馬の安定感は素晴らしい。該当馬がいれば軽視は禁物だ。

 一方、牝馬で連対したのは、08年の優勝馬・ブルーメンブラットのみ。連対率3.4%、複勝率13.8%など牝馬は劣勢で、まずは牡馬の4〜5歳馬から軸候補を探るのが妥当だろう(本年はセン馬の登録なし)。

前走クラス、レース別成績(日本馬、3着以内馬輩出レース)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走クラス別の成績は、G3からG1まで連対率は10%台前半、複勝率も14〜18%台。勝率はG1だけが10%台に乗せているものの、全体としては決め手を欠く印象だ。また、本年の登録馬の前走は、背景緑で示した5レースが中心だが、これも毎日王冠組がやや苦戦しているという以外、特に「買い」と言えるほどのレースはない。前走の着順など、もう少し細かく見る必要がありそうだ。

 本年の登録馬のうち、前走でその他のレースに出走していたのは、ミッキーグローリー1頭で、その京成杯AH組は過去10年【0.0.0.4】。14年には同馬と同じく2連勝中の5歳馬・クラレントが、6番人気で15着大敗を喫している。

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