2歳500万条件競走(ダート)の狙い方 穴党も注目!前走同条件組は配当妙味高し

JRA-VANデータラボ

前走未勝利戦出走馬の各条件別成績(脚質はTARGETによる分類)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は前走未勝利戦組。表1を見ると、新馬組に比べ好走確率は低く、回収率も単複ともに60%台と、全体としては「買えない」未勝利戦組だが、それでも条件によっては高回収率もあるグループだ。まず単勝オッズでは、新馬組の狙いどころよりも人気薄のゾーン、単勝10〜20倍台が単複の回収率104%、98%をマーク。30倍以上になると好走確率も回収率も一気に下がるため、20倍台までが目安だ。

 未勝利勝ちからのレース間隔では、数は少ないものの連闘馬が複勝率80.0%。また、該当馬の多い中4〜8週あたりも上々の成績を残す。2歳500万のダート戦は毎週のようには適鞍はないが、じっくり間隔を取るか、積極的な連闘策に出るか、どちらかが良い傾向で、未勝利勝ちから中1〜3週ではあまり良い結果が出ていない。

 少々意外だったのは、前走脚質別成績である。TARGETにより「中団」に分類された馬が、勝率〜複勝率まですべてトップ、単複の回収率も199%、104%という好成績だ。ダート戦といえば「逃げ」「先行」という印象が強いが、このタイプは「今回も行けない」と減点するよりは、「中団から差し切った」という事実を評価したほうが好結果に結びついている。

 ただ、キャリアを数戦積んだからといっても、砂をかぶらない8枠のほうが良い、というのがその下にある枠番別成績の結果である。距離については、延長、同距離、短縮とも、勝率と連対率はほぼ互角。複勝率では短縮馬、単勝回収率では延長馬が良いが、このあたりよりは他の項目を優先したい印象を受ける。

前走500万条件出走馬の各条件別成績(脚質はTARGETによる分類)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表5は、前走も同クラスの500万条件に出走していた馬である。10月に掲載した2歳500万条件の芝→芝では、好走確率がもっとも低く、回収率も決して高くなかった同クラス組だが、ダート→ダートになると一転、好走確率はまずまずで、回収率は高くなる(表1)。

 このうち、単勝1倍台に推された馬や、前走同タイム負けだった馬は好走確率が高く、回収率も単複ともに100%を超えてくるため、逆らいたくはない存在になる。その他を見ると、単勝オッズが2桁、つまり10.0倍〜99.9倍という幅広い範囲で、単複とも回収率100%を突破。特に単勝10.0〜49.9倍は複勝率が29.1%もあって狙いやすい。また、前走の勝ち馬からのタイム差も、0.3秒以上2秒未満で複勝回収率100%超になる。前走でかなり大きく負けて、あまり人気がないような馬でも、十分に狙えるのが同クラス組だ。

 その他、前走脚質では未勝利戦組と同様、「中団」の馬が高回収率。枠番は未勝利戦組よりも内寄りに広がり、5〜8枠なら単複の回収率177%、108%を記録する。また、距離延長馬は明らかに好走確率が低く出ているが、回収率は特に悪い数字ではない。

前走地方競馬出走馬の各条件別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表6は、前走地方競馬出走馬である。地方から転厩してきた馬や、中央所属で交流重賞に出走した馬、そして地方競馬所属のまま中央に出走してきた馬と多彩だが、トータルでは表1にあった通り、単勝回収率529%、複勝回収率145%となる。中でも好成績を残すのは、栗東所属馬、前走1〜4着馬、今回6〜8枠といったあたり。ただ、いずれも該当馬が少ないことに加え、この組は16〜17年には連対ナシに終わっているため、あくまで参考程度としたい。

 以上、2歳500万条件のダート戦について、主に前走クラスごとに注目できる条件を拾ってみた。前走もダートだった馬のうち配当妙味が高いのは、表1で高回収率だった前走500万組。前走で大きく負けていても好走確率が極端に低下することはなく、穴党の方なら特に注目だ。また、全体としてはあまり回収率が高くはない新馬・未勝利戦組でも、それぞれ高回収率の条件はあるため、該当馬がいれば積極的に狙っていきたい。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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