名捕手モリーナに盗塁王、新人王候補も 2018日米野球・MLB選抜紹介
元日本ハム・マーティンが“凱旋”
昨季まで日本ハムでプレーしていたマーティンがMLB選抜の一員として再び来日。エンゼルス・大谷との対決も話題になった 【Getty Images】
イギリスの人気ロックバンド『コールドプレイ』のボーカルと同姓同名の右腕で、16年はシーズン途中から増井浩俊(現オリックス)の代わりに抑えで起用され、21セーブ19ホールドを記録。翌17年はセットアッパーとしてリーグ5位の29ホールドを挙げ、オフにレンジャーズと2年契約。メジャー復帰を果たした。
今年4月11日(現地時間)のエンゼルス戦では、日本ハム時代の同僚である大谷を一塁走者に置いて救援登板。素早いけん制でアウトに仕留めた。だが、9月26日の同カードでは、今度は8回1死で大谷を迎えたところで登板すると、95.7マイル(約154キロ)の速球をライナーでレフトに被弾。強烈なしっぺ返しを食らった。
今回のMLB選抜の投手陣は大半がこのマーティンのような中継ぎタイプで、通算で10セーブ以上記録しているのは、今季パドレスで12セーブをマークしたカービー・イエーツだけ(通算14セーブ)。先発で2ケタ勝利を挙げた投手もいないが、過去にその実績がある投手はアストロズのコリン・マキュー(14〜16年)、マリナーズのエラスモ・ラミレス(15年)、前田(16〜17年)と3人いる。
このうちマキューは、今季メジャー7年目にして初めて救援に専念。58試合の登板で6勝2敗12ホールド、防御率はア・リーグの救援投手では4位の1.99。華麗な転身を遂げ、チームのア・リーグ中地区連覇に貢献した。
コーチ陣にも懐かしの選手が
かつてロッテ、ヤクルトでプレーしたミューレンスコーチ(写真中央)はオランダ代表監督を務めている 【Getty Images】
コーチ陣でマッティングリー監督をもしのぐ実績を誇るのが、現役時代は首位打者2回、打点王1回に輝き、現在は最優秀DH賞にその名が冠されているマリナーズのエドガー・マルティネス打撃コーチ(来季から打撃アドバイザー)。イチロー(マリナーズ会長付特別補佐)が渡米した頃も活躍していたので、当時を覚えているファンも多いのではないか。
また、今年の日米野球には、ご存じ松井秀喜(ヤンキースGM特別補佐)、マーリンズ、ブレーブスで監督経験のあるフレディ・ゴンザレス(マーリンズ三塁コーチ)らもコーチ陣に名を連ねている。日本のファンにとって懐かしいと感じるのはヘンスリー・ミューレンス(ジャイアンツベンチコーチ)だろう。
1994年に「ミューレン」の登録名で千葉ロッテ入団。翌95年にヤクルトに移籍すると、29本塁打を放ってチームの優勝&日本一に貢献。「バンバン」の愛称と、ホームランを打った後の決めポーズもおなじみとなった。ヤクルトのウラディミール・バレンティンと同じオランダ領キュラソーの出身で、本人いわく「メジャーリーグ、日本、カナダ(エクスポズ=現ナショナルズ)、韓国と、すべてキュラソー出身でプレーしたのは私が初めて」だという。10年からはジャイアンツで打撃コーチ、ベンチコーチを歴任し、並行して13年のWBCからはオランダ代表監督も務めている。
今回来日しているMLBオールスターチームのメンバーには、知名度という点では物足りなさも感じる。それでも野手には若い選手が多く、これからの飛躍が期待されるスーパースター予備軍もいる。30代が多い投手陣には、日本でのプレーを視野に入れている選手もいるかもしれない。そういう意味では、物見遊山の選手はほとんどいないのではないか。前回は侍ジャパンが記念試合、親善試合を除く“本番”で3勝2敗と勝ち越したが、今年も白熱した勝負が期待できそうだ。