武井壮が心惹かれた「非日常的体験」 パラローイングで得られる豊かな時間

スポーツナビ

パラローイングに挑戦した武井さん 【スポーツナビ】

 競技用のボートに乗り、6つの直線コースを進んでタイムを競うパラローイング。障がいによって「1人乗り」「2人乗り」などの乗り方とクラスが分かれており、2000メートルという距離をほぼ上半身だけの力で進むため、体力的な消耗は激しい。だが、湖や川など自然豊かなロケーションの中で、水をなめらかに漕ぐことができれば、他のスポーツではなかなか得られない快感を味わうことができるという。

 スポーツナビは、十種競技の元日本チャンピオンでタレントの武井壮さんがパラローイングに挑戦するNHKの取材現場に同行。競技を体験した武井さんに、その魅力や奥深さを聞いた。

力を使うためには正しい技術が必要

「エルゴメーター」と呼ばれるマシーンで漕ぎ方を練習した 【スポーツナビ】

 足を使えるボートは1度だけ経験したことがあって、今回座面が固定されたボートを漕ぐのは初めてでまた新鮮な感覚でした。制限された腰から上の力で漕ぐのですが、バランスはこちらの方が取りやすい。でも、背もたれに背中を預けている分、やはり動ける範囲が狭いので、本当にオールを正しく扱えないと全然水をキャッチすることができないんです。「体を動かさずに腕だけを動かす」という作業が僕のやっているスポーツではほとんどないので、新しい感覚で楽しかったですね! 腕はパンパンでしたけど笑。

 水を捉えるよりも、オールを水から抜くのが難しくて、最初はフィーリングが湧きませんでした。オールを手の中でコロンと転がすと、自然に自ら出てきてくれるんですが、どうしてもそれを力づくでやってしまいがち。オールが水の中で立っている状態で、余計な力を入れて面を変えてしまったりすると、水は「そっちじゃねえぞ!」と拒否反応を示すんです。

 うまく水をキャッチできた時はあまり抵抗がなくて、なめらかな滑車をコロンと転がすような感覚。正しい動作をしている時はそんなに力を入れなくても速く進むんですが、より速く進もうとすると無駄な力が入ってオールと水がけんかしてしまう。でも、自分の技術の未熟さをダイレクトに感じられる楽しさがありました!「力を使いたいけど、力を使うためには正しい技術が必要」という点が、今回の一番のポイントでしたね。水面からオールの幅一枚分だけを水の中に入れて真っすぐ漕ぐ必要があるのですが、どうしても手の力で引いてしまおうとしてしまう。そうすると水に対して深くオールがささってしまったりバランスを崩してしまう。座るポジションも左右に1センチズレるだけでボートが傾いてオールを真っすぐ入れる事ができなくなる。非常に高度な技術が必要な伸びしろ満載の競技ですね!

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