気になる有力選手と隠し玉候補は? 西尾×小関×福田ドラフト鼎談

永松欣也

高校時代からまとまりのある右腕として知られていたJR東日本・板東。社会人5年目でいよいよ本格化を遂げた 【写真は共同】

 10月25日に行われるプロ野球ドラフト会議。アマチュア野球の逸材を追って全国各地で取材活動を行うおなじみのお三方、西尾典文氏(野球ライター)、福田豊氏(日刊スポーツ所属)、小関順二氏(野球ライター)に集まっていただき、前回は1位指名で名前を呼ばれる12人を挙げていただきました。今回は、前回名前を挙げなかった選手の中から3氏の気になる選手を3人、そして隠し玉選手を2選手をピックアップ。果たして、どんな名前が挙がったのでしょうか?(実施日:10月17日)

3氏が挙げた気になる有力選手

■西尾氏が挙げた気になる3選手
石橋康太(関東一・捕手)
栗林良吏(名城大・投手)
杉山一樹(三菱重工広島・投手)

■小関氏が挙げた気になる3選手
石橋康太(関東一・捕手)
辰己涼介(立命館大・外野手)
板東湧梧(JR東日本・投手)

■福田氏が挙げた気になる3選手
引地秀一郎(倉敷商・投手)
野村佑希(花咲徳栄・内野手)
米満凪(奈良学園大・内野手)

関東一・石橋は中学時代からすごかった!

――それでは各自が挙げていただいた、気になる3選手についてお話をうかがってまいります。まず小関さんと西尾さんが関東一の石橋を挙げましたね。

小関 石橋は中学時代に見た試合の印象がすごくて。

西尾 一緒に見ましたね。

小関 ボーイズリーグ選抜vs.リトルシニア選抜の試合があって、二塁送球タイムが1.96秒っていうものすごいタイムだったんですよ。当時から体が大きくて、バッティングも力感がありました。高校に入ってからは膝を痛めて、ファーストなどをやってた時期もあったんですけど。

西尾 高校進学後も2年夏は4試合連続でホームランを打って、すごかったですよね。

小関 今年またキャッチャーに戻って、二塁送球が1.8秒台で。これはもうドラフト2位か3位クラスで名前が呼ばれる選手だなと思いましたね。(若いキャッチャーを育てなければいけないという)目的意識のある球団だったら2位であると思いますよ。中日あたりは2位で指名するべきだと思いますね。

西尾 僕もよその記事ですけど「中日は2位で指名するべき」と書きました。本人にも取材させてもらったことがあるんですが、けっこうしっかりしていて「野村(克也)監督の本が好きで読んで勉強している」と言ってました。チームの監督さんも「石橋は勉強もちゃんとやるし優等生」ってほめてましたね。

――高卒キャッチャーというと昨年の中村奨成(広陵→広島)と比べていかがでしょうか?

西尾 中村はアスリートタイプだと思うんですけど、石橋はいかにもキャッチャーというか体つきががっちりしてますね。

小関 何となく炭谷銀仁朗(埼玉西武)タイプですね。

西尾 そうですね。バッティングもいいですけどね。銀仁朗も入った頃はバッティングも良かったですからね。

小関 肩だけがいいキャッチャーじゃないですからね。

西尾 中学時代からすごかったキャッチャーが高校でもそのまま伸びたというのはうれしいですね。

JR東・板東はメジャー仕込み?

小関 板東はJR東日本の投手育成力がすごいなと思いますね。来年は太田龍といういいピッチャーがいて、西田光汰もいてね。3人とも投げるときにステップした時に“割れて”るんですよ。投げ方がメジャーリーグっぽいです。今年からアメリカでキャンプをしてるために、いい意味で感化されてきたのかなと思って。板東は鳴門高時代はまとまってるなっていうだけの印象だったんですが。

西尾 そうですね。イケメンで話題になってましたね(笑)。

福田 ボールが良くなりましたよね。

西尾 150キロ近く投げるようになりましたね。

――高卒5年目で名前が挙がってきたことについては?

小関 ピッチングフォームが変わりましたね。フォーム革命。

西尾 体つきもずっと細かったですけど、やっとできてきましたね。ひ弱な感じがなくなりました。

小関 マウンドでの態度も堂々としてますしね。

西尾 コントロールもいいですよね。内角もバンバンきますし。

小関 高校時代のまとまっていたのはそのままで、体が強くなってストレートの力強さが増していて。もしかして1位もあるかもしれないなと、何となく思ってます。

西尾 2位か3位の初めの方に呼ばれそうな気がしますね。

小関 伊東昭光(元ヤクルト)みたいな感じのイメージですね。うまさとストレートの威力があって勝てるピッチャーというね。
(撮影:西尾典文)
――小関さんはここでやっと辰己の名前が出てきましたね。

小関 石橋、板東も含めてですけど、ひょっとしたら外れ1位であるかもしれない。足がこれだけ速い選手はいないですからね。ベストの理想像は西武の秋山翔吾かもしれない。

――前回は「金子侑司そのもの」っておっしゃていましたが(笑)。金子になるか秋山になるか?

小関 金子もまだ途上ですから(笑)。辰巳は西武のあの打線に入っても8番、9番打ってても見劣りしないですよ。大したもんだと思いますよ。

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著者プロフィール

1976年、大分県速見郡生まれ。サラリーマン生活を経て30歳からWEBスポーツ界へ。多くのスポーツサイトの企画・編集、ディレクションなどを経てフリーランスに。現在はWEBディレクションと並行して、少年野球、高校野球関連サイトの企画・編集・監修も務めている。

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