バトンがスーパーGTで本領発揮 初Vで近づくチャンピオンの座
第6戦SUGOでスーパーGT初勝利を飾ったバトン 【写真:吉田成信】
これまで17シーズンにわたってF1で活躍し、09年にはワールドチャンピオンに輝いたバトン。F1引退を決断し、次に選んだ活躍の場が日本のスーパーGTだった。18年からは以前から付き合いのあったホンダと契約し、No.100 RAYBRIG NSX−GTで山本尚貴と組んで参戦している。
開幕前のテストから多くのメディアが取材に集まり注目度も上がっていたが、岡山国際サーキットで行われた開幕戦では2位表彰台を獲得。第3戦の鈴鹿でも彼自身F1で走り込んでいるコースということもあり、積極的な走りを見せて2位で表彰台に立った。
シーズン序盤は手探り状態
彼にとっては屋根が付いたマシンでシリーズ戦を戦うのは初めて。さらにスーパーGTでは異なるクラスの車両が混走しながらレースが進んでいくため、バトンが参戦しているGT500クラスはGT300クラスの車両を追い抜きながら、自分たちのレースをしなければならない。そこで手間取ってしまうと、一気にペースが落ちてしまう。結果的にレースペースが上がらず、上位に食い込めないというレースも経験した。
また第5戦富士500マイルレースでは、黄旗区間での追い越しで10秒のストップ&ゴーペナルティを受けてしまった。これも、フォーミュラカーとは異なり視界が制限されるGTマシンでのレースやGT300車両の処理に気が取られてしまった結果だろう。バトンも改めてスーパーGTの難しさと奥深さを痛感している様子だった。
ただ、バトンのすごいところは、一度体験したことを次回までに吸収し、ミスが起きないように対応するところ。昨年スポット参戦した鈴鹿1000キロでもペナルティなどはあったが、同じミスを繰り返すことがないのだ。
その吸収力と柔軟力が存分に発揮されたのが第6戦SUGOだった。