U18侍Jでも「根尾さん」ぶりは健在 中国に大勝しW杯出場権を確保

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合言葉は「次世代につなぐ」

中国との3位決定戦で最後を締めた根尾。この日は自己最速の150キロをたたき出した 【Koji Watanabe - SAMURAI JAPAN】

 日本と中国による「第12回 BFA U18アジア選手権」3位決定戦が10日、サンマリンスタジアム宮崎で行われ、日本が14対1、7回コールドで勝利。来年開催のU18ワールドカップ(韓国・釜山)の出場権を手に入れた。

 1回表、先発した板川佳矢(横浜3年)が制球に苦しみ、3安打を浴びて1点を先制された。5日の韓国戦、7日の台湾戦も先行を許して敗れた嫌な流れがあった。ここで「スクランブル体制だった」(永田裕治監督)と、初回2死三塁から2番手・柿木蓮(大阪桐蔭3年)を早くも投入。柿木が見逃し三振に打ち取りピンチを脱出した。その裏、1番・小園海斗(報徳学園3年)が四球、盗塁で二塁へ進むと、2番・奈良間大己(常葉大菊川3年)の送りバントで三進。3番・中川卓也(大阪桐蔭3年)のファーストゴロの間に同点とした。

 2回は今大会無安打に苦しんでいた日置航(日大三3年)にタイムリーが飛び出すと、小園も続いて2点をリード。日本が主導権を握る。3回には相手のエラーも絡んで2点、4回には藤原恭大(大阪桐蔭3年)、根尾昂(大阪桐蔭3年)の連打で3点、5回は小園のライトオーバーのタイムリーで1点と小刻みに加点。6回にも日置、奈良間のタイムリーなどで5点と得点を重ねた。打線の奮起でアジア3位を死守し、永田監督は「選手たちが次世代へつなぐを合言葉にがんばってくれた」と選手たちをたたえた。

自己最速の150キロにも淡々

 柿木からバトンを受けて、U18侍ジャパン最後の一戦の締めくくりのマウンドに上がったのは根尾だった。本来ならば8日に予定されていたスーパーラウンド・中国戦での先発が決まっていた。しかし、雨天で流れたことで「投げてたくてうずうずしていた」という。9日の練習後も「コンディションはいい。いつでも準備はできている」と体はうずいていた。

 13点差で、このイニングを抑えればコールドで日本の勝利になる7回。試合が始まってからブルペンに2回入り、準備は万全だった。「とにかくこの回で終わらせるという気持ちを持って、ほとんどストレートで押していこうと思っていた」と思い切って腕を振っていく。先頭打者にはライト方向へライナー性の打球を打たれたものの、峯圭汰(創成館3年)が好捕。続く打者には初球141キロでストライクを取ると、2球目は148キロで空振り。徐々にエンジンが上がっていった3球目、自己最速となる150キロのストレートで空振り三振を奪った。3人目の打者も2ストライクから1球ファウルを挟んでの4球目にストレートでの空振り三振で試合を締めた。

 打者3人に対して12球すべてストレート。「投げたときにいつもより指にかかっていた感じがあったので、投げた瞬間出たかなぁと思った」と150キロの球速表示を確認したという根尾。ただ、周囲のどよめきとは裏腹に、「150キロはいっぱいいるので、そんなにすごくないですね……」と淡々としていた。惜しむらくは最後の三振の球速が球場では表示されなかったこと。150キロを計測した軌道と同じようなストレートだっただけに、どれほどのスピードだったのか……。

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