これが実力差、錦織が省エネテニスで勝利 浅越しのぶの全米オープンテニス解説
“締めるところは締める”さすがの戦いぶり
暑さの中で“省エネテニス”をしながらも、締めるところは締めて勝ち切った 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
ただ4回戦ですので、プレッシャーも緊張もあったと思います。最初は体の動きも硬いようには見えました。それでも負けそうだなという雰囲気はみじんも感じませんでしたし、実力の差がかなりあったのではないかなと思いました。
(第3セットの後半は、相手もペースをつかんできたが?)そうですね。でも、見応えがあったのはそこだけでした。ゲームカウント5−4で迎えた第10ゲームをブレークされた場面では、コールシュライバー選手に開き直ったようないいショットがありました。でもそこで錦織選手は、次の相手のサービスゲームをしっかりとブレークできた。締めるところはきっちりと締めるというのはさすがです。あの場面でブレークバックして、最終的に3セットで試合を終えられたのは、本当に次につながる試合だったのではないかなと思います。あそこでずるずるとサービスを取られてシーソーゲームになってしまうと、体力も使いますから。
今日の条件の中では最高のプレー
今大会の錦織選手は、体の動きもテニス自体もすごく良いです。今日の試合内容はそこまで良かったとは言い切れないですが“この対戦相手で、4回戦で、この暑さで”という条件の中では、最高の、良い勝ち方をしたのではないかなと思います。
(今後を見据えて力を温存できた?)本当に“体力温存テニス”をしているのではないかなと見えました。
「錦織圭の真価」が問われる準々決勝
準々決勝のチリッチ戦は、サービスゲームのキープがいつも以上に重要になる 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
チリッチ戦は、本当に「錦織圭の真価」が問われる試合になると思います。チリッチもサービスプレーヤーですから、錦織選手もサービスキープが絶対で、キープを続けていかないといけない。自分のサービスゲームをブレークされた時点で危なくなってきます。錦織選手も、ここを目指してサービスを改良してきたと思うので、チリッチのようなビッグサーバーがきたときにはサービスゲームが鍵になりますね。
浅越しのぶ(あさごえ・しのぶ)プロフィール
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