【ノア】丸藤20周年記念はKENTAに激勝 大会成功に「プロレスの力ってすごい」

高木裕美

復帰の森嶋が来場 杉浦を挑発も……

来月復帰戦に臨む森嶋が来場。“上から目線”で丸藤にメッセージを送った 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 丸藤とほぼ同時期に全日本に入門し、ノアではGHCヘビー級王座などを獲得した森嶋猛が来場。自身の40歳の誕生日となる10月15日に後楽園ホールで開催される「GENESIS」での復帰戦を前にアクションを起こした。

 森嶋は、15年4月、体調不良によるドクターストップで引退を表明。だが、今年7.10パワーホール後楽園大会でリングに上がり、シングルマッチ(対戦相手未定)で約3年半ぶりにリング復帰を果たすことを発表していた。

 かつて、ノアマットで拳王らと「超危暴軍」を結成していた森嶋は、第6試合が終わると、立ち上がってマイクを握り、「ノアファンの皆様、お久しぶりです」とあいさつすると、丸藤、KENTAに“上から目線”でメッセージを送り、「これ、杉浦にわたしてくれ」と着ていた「GENESIS」のTシャツを脱いで拳王に託した。

 その後、セミファイナルを終えた杉浦は、コメントブースにTシャツが置かれているのを一瞥すると、無造作に汗をぬぐって、そのままポイ捨て。直前の試合についてだけコメントを話すと、その場を立ち去ろうとするが、記者にTシャツのことを聞かれ、「大きいから汗ふくのにちょうどいいと思った。雑巾か何かじゃないの」とにべもない態度。森嶋の名前を出されると、「丸藤のおめでたい席に変なマイクで入ってくんな」と怒りをあらわに不快感を示した。

鼓太郎がノアジュニア挑発「最弱だ」

鼓太郎(左)が「今のノアジュニアは最弱だ」と挑発した 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 元GHCジュニアヘビー級王者で、現在はフリーで活動する鈴木鼓太郎が、「今のノアジュニアは最弱だ」と、かつての丸藤の名言を彷彿(ほうふつ)とさせるワードで、古巣にケンカ状をたたきつけた。

 鼓太郎はノア生え抜き第1号として01年12月にデビュー。三沢さんの付き人を務め、リングネームも命名されたが、12年末に秋山らとともにノアを退団し、全日本に移籍。だが、契約内容に不満を抱き、15年末に全日本も退団。フリーに転向し、その後はWRESTLE−1、全日本などに参戦していた。

 この日、鼓太郎は現GHCジュニアタッグ王者組のHi69&田中稔組とトリオを結成。大原はじめ&熊野準&諸橋晴也組と対戦した。大原組は得意の背骨折り弾で王者組に食らいつくも、鼓太郎がブルーディスティニーで熊野に完勝。試合後、大原が鼓太郎に向かって「初めまして。今のノアジュニアでは、僕を含めて、鼓太郎さんを知っている人はほとんどいません。この続きはノアでやりましょう。ノアジュニア、来週からシングルのリーグ戦をやります。ぜひ出てください」と、9.8静岡・清水で開幕する「GROBAL Jr. LEAGUE 2018」への参加を呼びかけると、鼓太郎は「参加する、しないは自分から今言えないけど、オレを出すなら優勝は絶対。ノアジュニア全員に言っておく。今のノアジュニアは最弱だ」と爆弾発言。かつて、丸藤が02年に新日本の獣神サンダー・ライガーに対し「ノアのジュニアは最強です」と挑発した言葉になぞらえ、古巣にケンカを売ってみせた。

 鼓太郎の「GROBAL Jr. LEAGUE 2018」参戦の正式決定は会社や鼓太郎個人の判断に委ねるとはいえ、大原は「鼓太郎さんのいた時代と選手がほとんど入れ替わっているからこそ、ノアジュニアで戦ってほしい」とラブコールを送った。

全9試合に懐かしい顔ぶれも

太陽ケア(右)がノアリング参戦。潮崎らと対戦した 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 なお、この日は全9試合が行われ、丸藤が「なつかしい顔ぶれも逆に新鮮かつ斬新。観た人たちがハッピーな気持ちになれる大会にしたい」と見どころを語っていたように、丸藤の20年間の歴史を彩ったレスラーたちが多数出場した。

 第6試合では、中嶋勝彦&マサ北宮のジ・アグレッションが太陽ケアと組んで、潮崎豪&清宮海斗&KAZMA SAKAMOTO組と対戦。全日本マットで対戦経験のある潮崎がケアの胸板にマシンガンチョップを連射すると、ケアもSUNケアキックで反撃した。

丸藤とベストバウトを獲得したことがある近藤修司(右)がこの日もらしさを発揮した 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 第4試合では、08年11.3全日本・両国大会で丸藤とプロレス大賞ベストバウトを獲得する激闘を繰り広げた近藤修司が黒潮“イケメン”二郎と組んで、HAYATA&YO-HEYのRATEL'Sと対戦。負傷したカズ・ハヤシの代役として出場した黒潮が、おなじみの入場&ジャケットプレイで客席を大いに沸かせ、近藤がキングコングラリアットでYO-HEYを一蹴した。

ノア旗揚げメンバーの1人、大森(右)も参戦 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 第3試合ではノア旗揚げメンバーであった大森隆男が参戦し、豪快なアックスボンバーを炸裂。

(左から)本田多聞、佐野巧真、越中詩郎の3人もトリオを組んで参戦 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 第2試合では、齋藤彰俊&井上雅央&川畑輝鎮の「ダークエージェント」が復活。元ノアの佐野巧真、本田多聞、三沢さんの盟友であった越中詩郎と対戦した。

菊地毅(上)もノアファンの前に姿を見せた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 第1試合では、過去に丸藤とGHCタッグ王座を獲得したモハメド ヨネが、ノア旗揚げメンバーの百田光雄、菊地毅組に快勝した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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