セ・パ新人王レースを読む DeNA東・オリ山本がリード、対抗馬は?
対抗馬が負傷離脱し、セは東が大きくリード
4月12日の初勝利からコンスタントに勝ち星を重ねる東。ここまで7勝はチームトップだ 【写真は共同】
7月に疲労考慮の“夏休み”と人差し指の皮がめくれて2度の登録抹消があったが、今後の登板を考えると、その休養がプラスに働くはず。週1ローテとしても残り7試合は先発登板が可能。その7試合で3勝を挙げることができれば、2ケタ勝利達成で「新人王当確」となるはずだ。
そのライバルとなり得る存在として、大卒2年目で出場機会を大きく増やしていた吉川尚輝(巨人)がいたが、8月1日の試合で一塁にヘッドスライディングし負傷交代。18試合連続安打を記録しながらも診断は左手骨折で無念の離脱。シーズン終盤の復帰を目指しているが、現在の92試合出場、打率2割5分3厘、4本塁打、29打点、11盗塁の成績では、新人王として説得力に欠ける。
中継ぎ新人王誕生なら10年ぶり
その他、首位を快走するチームの中で、存在感を見せている高卒2年目のアドゥワ誠(広島)も注目。まだまだ線の細さが目に付くが、196センチの長身から伸びのあるストレートを投じ、ここまで中継ぎで37試合に登板して3勝1敗3ホールド、防御率3.21と奮闘を続けている。
そして、大卒2年目の中尾輝、大卒4年目の風張蓮(ともに東京ヤクルト)の燕コンビも、シーズン40試合登板を達成済み。特に中尾は中継ぎながら多くの勝ち星を拾い、46試合で7勝3敗11ホールド、防御率3.38の好成績を残している。中継ぎ投手が新人王を受賞したのは、セ・リーグでは2008年に67試合に登板して11勝2敗23ホールド2セーブ、防御率2.32の成績で逆転でのリーグ優勝に大きく貢献した山口鉄也(巨人)の例があるが、果たしてどうか。中尾が「2ケタ勝利&防御率2点台」を達成すれば、一気に本命に躍り出るかも知れない。