朝原宣治さん、“現役復帰”の野望「トラック競技をする人を増やしたい」
8月に北海道で復帰戦
週2回の練習でコンディションを上げている 【写真:築田純/アフロスポーツ】
「一時、少し張り切りすぎてピリッと来ましたが、いまはもう大丈夫。まだスパイクを履ける段階ではないんですが、時間や場所を有効利用しながら練習の頻度と強度を上げ、神経系もアップさせていく。9月には完璧な状態で臨む」
復帰までの青写真もできつつある。調整レースとしての始動戦は8月5日の「北海道マスターズ」で男子100メートル。中旬には兵庫・西宮市内のグラウンドに武井さんを含むメンバー4人が初めて集合し、バトンの受け渡し練習などを行う。
「リレーも大事ですが、まずは自分がしっかりコンディションを整えないといけない。バトンのパスはそれから。走順も決めないといけませんが、僕はカーブが下手なのでアンカーになるのかな。もちろん、武井クンには負けません。そりゃ、負けないでしょう」
3度の100メートル日本記録を出し、自己ベストは10秒02。このときばかりはプライドをのぞかせた。
目指すは金メダルと世界新記録
走ることのすばらしさを伝えること、その一環として朝原さんはチャレンジを続けていく 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
「引退後も太らないように気を使っていたので現役のころ75キロだった体重は72キロぐらいでした。それがトレーニングを始めて73キロ台に。きっちりご飯を食べて炭水化物を補給。効果的な時間を見計らって、たんぱく質をとっている。すべては競技のため。休養もしっかりとるようにしていますよ」
引退後は指導者として陸上教室を開き、走ることのすばらしさを伝えてきた。今回のチャレンジも、その一環だ。
「目標に向かって取り組むことで毎日が充実している。どこかで体を気遣っているし、生活が引き締まっている。そういう姿勢を見てもらって、刺激を受けてもらえればと思います。マラソン人気は続いていますが、トラック競技をする人をもっともっと増やしたい」
そのためにも金メダルと世界新記録(現在の世界記録43秒42)のダブル快挙は大きな励みでもあり、ノルマともなる。
「いまの段階ではまだ何とも言えませんが、個人的には100メートル11秒1〜2、できれば10秒台を出したい。みんなが力を出し合えばメダルも記録も出せる」
次回の「世界マスターズ選手権」は2020年東京五輪の翌年、大阪を中心とした関西圏で行われる。朝原さんが所属する大阪ガスは、この大会のスポンサーとして関わり、武井はその応援大使。当初は“商業的”“政治的”なにおいを感じないでもなかったが、2人とも取り組む姿勢は真剣そのものだった。
「体と気持ちが続けば21年までがんばりたい」と朝原さん。大阪を盛り上げるために、まずは今年9月4日、スペイン・マラガで開幕する「マスターズ」へ向け、全力疾走する。
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■MBS毎日放送「戦え!スポーツ内閣」
7月18日(水)23:56〜24:53
【写真提供:毎日放送】
今回のテーマは、「もうすぐアジア大会!陸上短距離9秒台ラッシュを待ちきれないSP」。
来月行われるアジアのスポーツ祭典・アジア大会を前に、今後の日本選手の9秒台ラッシュの期待を胸に、陸上短距離の世界に迫っていきます。今後日本選手の誰が一番9秒台に近いのかを、先月行われた日本陸上選手権男子100メートル決勝を振り返りながら検証する。また、アジア大会で金メダルの期待が高まる4×100メートルについて、北京で銅メダルを掴んだ今回のゲストの朝原と塚原の2人が、当時のVTRを見ながら勝利のためのポイントを解説する。
<放送局>
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HBC北海道放送(1時間遅れ)