後半戦にブレイク期待の逸材は? セ・パの行方を左右する「+α」の選手たち

ベースボール・タイムズ
 いよいよペナントレースは16日から後半戦に突入する。順位争いが激しさを増す中で、今夏以降に飛躍が期待される“新”戦力に注目。セ・パ投打別に、後半戦への「+α」となり得るフレッシュな選手たちを見つけたい。

花咲徳栄コンビ&巨人の助っ人コンビ

初勝利のウイニングボールを手にし笑顔の広島・高橋昂也(左)。3連覇へのブースターとなれるか 【写真は共同】

 セ・リーグの投手陣では、まず首位・広島の2年目左腕、高橋昂也(広島)に期待したい。春季キャンプで緒方孝市監督から「投手MVP」と評価されるなど“予感”を漂わせた男は、4月と6月に2度の先発登板。この2試合は4回5失点、3回1/3を4失点と洗礼を浴びたが、3度目の先発となった6月28日の巨人戦で6回3安打2失点と好投してプロ初勝利を挙げた。ファームでは10試合で4勝2敗、防御率2.21、53イニングで65奪三振と“違い”を見せているだけに、1軍の水に慣れればさらなる躍進が期待できる。3連覇を目指す広島にとって、後半戦の“ブースター”になる可能性は十分にある。

 その高橋の花咲徳栄高時代の1学年下の後輩である清水達也(中日)にも飛躍を期待したいところ。高卒ルーキーながら6月28日のヤクルト戦でプロ初登板し、7回の1イニングを無失点、バレンティンから三振を奪う上々の1軍デビュー。7月3日の阪神戦では1回を3安打2失点と打ち込まれたが、同12日のフレッシュオールスターでは1イニングで2三振を奪って三者凡退でピシャリ。チームではプロ2年目の藤嶋健人(中日)が出番を増やしているが、甲子園優勝投手である清水もチャンスを掴んでもらいたい。

 助っ人にも注目だ。来日1年目のヤングマン(巨人)は、外国人枠の影響で開幕から2軍暮らしが続いていたが、ファームで12試合7勝2敗、防御率1.43と出色のパフォーマンスを見せると、ようやく7月1日の中日戦で1軍初登板を果たし、いきなり8回3安打無失点で8奪三振の圧巻の投球。続く同6日のヤクルト戦でも6回8安打ながら2失点にまとめて2戦2勝。ダイナミックな投球フォームからの落差のあるカーブを武器に、後半戦の救世主となる予感を漂わせている。さらに来日2年目で7月上旬に支配下登録されたばかりのメルセデス(巨人)も、7月10日のヤクルト戦で初登板初先発して5回無失点で来日初勝利。ベールを脱いだ秘密兵器が、逆転Vへの切り札になるかも知れない。

大卒1年目のスピードスター&高卒1年目のスラッガー

 セ・リーグの野手陣では、虎の新スピードスター、熊谷敬宥(阪神)のブレイクが期待される。大卒1年目の今季はここまで2軍で51試合に出場し、ウエスタンリーグトップの20盗塁をマーク。打率2割ちょうどと打撃に課題は残すが、1軍で2度目のスタメン出場となった6月3日のヤクルト戦では2安打2打点の活躍を披露した。柔らかいグラブさばきの遊撃守備への評価は高く、後半戦での1軍&レギュラー定着が期待される。

 神宮を本拠地とする2人にも注目したい。大卒6年目、27歳の谷内亮太(ヤクルト)は、今季1軍で12試合15打数2安打の打率1割3分3厘と結果を出せていないが、2軍では50試合184打数63安打の打率3割4分2厘で、目下イースタンリーグの首位打者を走る。後半戦で“化ける”ことができるか。そして、ドラフト1位の高卒ルーキー、村上宗隆(ヤクルト)。2軍で73試合に出場して打率2割8分7厘、10本塁打、49打点、13盗塁と早くも結果を残し、安打数、盗塁数ではリーグトップ。フレッシュオールスターでは4番に座って存在感を見せた男の早期1軍デビューに期待が高まる。

 その他、2軍で12本塁打を放ち、6月29日のヤクルト戦でプロ初安打をマークした和田恋(巨人)の飛躍や、フレッシュオールスターでバックスクリーン弾を放ってMVPを獲得した石垣雅海(中日)の1軍初安打&初アーチも期待したいところだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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