函館記念「1番人気の呪い」は健在か 荒れるレースをお題に記者がトークバトル

競馬専門紙「優馬」

今年も荒れないわけがない 波乱の主役はコノ馬だ

斎藤師が仕上がりに自信を持つクラウンディバイダ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「例によって、今回はローカルスタッフとして“別人”での参加となる木谷だが、◎エアアンセムの根拠はどうよ」

木谷「かれこれ4年近く準オープンクラスにいた馬ですが、3走前にようやく準オープンを卒業。これまでの対戦相手に加えてオープンでの前2走の内容も良かったですし、重賞のこのメンバーでも通用すると思います。藤岡佑騎手も今年の函館の芝中距離で〔4・1・1・1〕と乗れてますし、前3頭が飛ばす展開の2番手グループという構図は、同騎手がサンリヴァルで穴をあけた皐月賞と重なりますね」

デスク「う〜む、チャチャを入れる隙のない別人ぶりだが、函館は4年前に一回走っただけで未知数とも言える馬だよな」

小桧山「陣営もそこんところは“函館の洋芝が合うかどうかはわからないが、小回り自体は大丈夫”と言ってたよ。前走のエプソムCにしても“人気馬マークで一旦ポジションを下げたけど、よく盛り返してくれたあたり、重賞でもやれる力を付けている”と、吉村師は評価していたし、ハンデも55キロならマークは必要だろうな」

目黒ブラックバゴは、昨年の函館で2000mを1分58秒8の好時計勝ちを演じていますし、前走の中山金杯でも大外を回るロスがあっての4着なら、重賞でも足りる力があると思います」

山崎「鍵は半年ぶりとなる点ですが、放牧先から直接函館に入厩してひと追いごとに良くなっています。ただ、それでもちょっと重目残りの印象を受けますし、斎藤誠師も“今週のひと追いで変わると思うけど、当日の馬体重次第かな”と言っていたので、そこのところは要チェックでしょう」

木谷「ステップレースの巴賞を勝って臨む割にはさほど人気になっていないナイトオブナイツですが、“洋芝ならハービンジャー産駒”というイメージが固まりつつありますし、実際に今年の函館芝で最も勝ってる種牡馬ですからね。このメンバーでも無視できないですよ」

小桧山「前走の巴賞は、“レース前にイレ込んで体を減らしながらも、馬込みを捌いて勝った収穫の多い一戦”と、池添兼師は振り返っていたけど、“減った馬体は回復しているし、掛かる馬ではないから1ハロンの延長も大丈夫で、滞在競馬も合う”と、ここでも楽しみな様子だったぞ。ただ、“ハンデが1キロ見込まれた”とも言っていて、俺もそう思うんだが、重賞で実績がないのに56キロはちょっとかわいそうだよな」

山崎「そのハンデに関して恵まれたと言えるのが、54キロのクラウンディバイダでしょうね。中1週続きになりますが、斎藤誠師は“今は本当に状態がいい。自分の形なら渋太いし、ハナを切れれば残り目もある”と。取材の感触としては、ブラックバゴよりこっちの方が上でしたね」

木谷「そのクラウンディバイダがスンナリとハナへ行けるかどうか、鍵を握るのはマイネルハニーでしょうが、前走は久々の分だと思いますよ。3走前の白富士Sではスズカデヴィアスを負かしているわけですし、実績的にも57キロならむしろ“買い”でしょう」

デスク「あとは、大穴狙いで◎が被ってしまった板子と馬場の出番だな」

馬場「別に相談したわけではないんですが、エテルナミノルは、牡馬相手の重賞でも準オープン時代の内容から通用の下地はあると思います。中でも重馬場だった昨年秋の八坂Sでは、2着に5馬身差の圧勝劇でしたから、メンバーきっての重巧者であることは間違いありませんね」

板子「実際に現地で取材をしていても雨を心配する陣営が多い中で、エテルナミノルは別でした。函館入り後の追い切りの動きも雰囲気も悪くはないですし、馬場ちゃんの言う八坂Sで負かした馬の中には、心身ともに噛み合う前とはいえ、エアアンセムも含まれてますからね。とにかく降れば降るほど、期待が高まりますよ」

デスク「さてと、俺の注目馬は、いつもの木谷の替わりに、ここまで名前の挙がらなかった馬から選ぶことにしたぞ。どうせ、ここ数年はそんな馬が穴をあけまくってるからな。で、気になるのはナスノセイカンだ」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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