首位通過で「厳しい道」を選んだベルギー それでも国内は16強の日本戦に楽観ムード
Bチームも充実のスター軍団
イングランド戦で華麗な左足シュートを決め、決勝点を挙げたヤヌザイ 【Getty Images】
これだけBチームが充実しているのだから、選手にアクシデントが起きたとしてもマルティネス監督はやり繰りに困らないだろう。例えば、チュニジア戦で足首を痛めたE・アザールが日本戦に間に合わなかったとする。そうしたら、2シャドーの右にデ・ブライネを上げて、彼がいなくなったセントラルMFにはデンベレを入れればよい。今のベルギーにパズルのピースの不足はない。
こうしてベルギーは3戦全勝でグループGを終えた。パナマ(3−0)、チュニジア(5−2)、そしてBチーム同士で戦ったイングランド戦(1−0)と、ベルギーにとっては楽な試合ばかり。だから、『デ・モルヘン』紙のように「ベルギーのW杯はラウンド16の日本戦から始まる(その次はブラジル戦だ)」という記事が掲載されている。
オランダ人解説者のヤン・ムルダーは「日本戦もベルギーはBチームで戦うべきだ」、元ベルギー代表GKヘールト・デ・フリーハーは「相手を過小評価してはいけない。だけど一般的に言って、日本はベルギーにとって問題のない相手だ」と、「日本戦はかなり高い確率でベルギーが勝つ」と見る向きが圧倒的だ。彼らにとっては、もしかしたらW杯の本当のスタートは、ブラジル対メキシコの勝者と対戦する準々決勝なのかもしれない。
国内が楽観ムードでも選手に油断はなし
昨年11月、日本に1−0で勝った親善試合でプレーしたベルマーレン 【写真:アフロ】
日本代表にとっては、3度めのラウンド16進出だ。ポーランド戦後、吉田麻也は「ベルギーとイングランド、どちらが来ても構いません。われわれとしては、そこに勝ってベスト8に進みたい」、川島永嗣は「相手がどこであろうと(チームが)1つになって歴史を作りたいと思います」と語ったように、選手たちは初のベスト8進出に燃えている。
スター軍団のベルギーに対して、日本がいかに団結して挑むか、そのチャレンジに期待したい。