高校生ゴルファーが感じた世界との差 次に目指すはプロ選手たちとの戦い

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提供:トヨタジュニアゴルフワールドカップ

女子は3週連続で4日間競技に臨んだ

女子の個人トップとなった安田祐香も海外の選手のプレーに「参考になりました」と語った 【画像提供:トヨタジュニアゴルフワールドカップ】

 一方、“世界一”となった女子選手たちも、海外の選手との違いを実感したようだ。

 個人順位でトップとなった安田祐香(滝川二高3年)は「飛距離が安定して飛んでいました。またプレースタイルが違う選手は一緒に周っていて参考になりました」と語り、やはり女子も海外選手の飛距離や攻めるスタイルから学んだ様子。また古江彩佳(滝川二高3年)はより具体的に「韓国の選手と一緒に周っていて、丁寧なパターをしていたところが、自分にはまだまだ足りないなと感じました」と課題を挙げた。

 ただ西村優菜(大阪商大高3年)を含め、日本女子チームの3人は前週の日本女子プロ(LPGA)ツアー「宮里藍サントリーレディスオープン」(6月7日〜10日、兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部)にも参戦しており、3人そろって予選を通過。最終成績は安田が13位タイ(ベストアマを獲得)、古江が28位タイ、西村が58位となっていた。

 サントリーレディス終了翌日に前日練習で入り、その翌日の火曜から本戦が始まる。さらに3人にとって年間の中で最も重要な試合となる「日本女子アマチュア選手権」(埼玉・嵐山カントリークラブ)も翌週に控えており、3週連続でタフな4日間競技を戦うことになった。この状況に橋田監督も「彼女たちはこの連戦で緊張したまま、ハードスケジュールを乗り切ることになります。その中で最も大事なのが体のケア。アスリートとして戦うためには万全な状態で戦わなければいけません」と話した。

 日本アマでは、前回大会を制した安田は連覇こそかなわなかったが、優勝した吉田優利(麗澤高3年)と4打差の4位タイ。西村も同じく4位タイ、古江は6打差の8位と、何とかトップ10で終えることができた。安田はジュニアワールドカップを終えた際、「(日本女子アマは)プレッシャーは絶対にかかるけれども、今週のプレーを続けられれば」と話しており、連覇とはいかなかったものの、何とかプレッシャーに打ち勝ち、実力の片鱗(へんりん)は示すことができた。

東京は厳しくもいつかは五輪の舞台へ

優勝し喜ぶ男子デンマークチームのメンバーたち 【画像提供:トヨタジュニアゴルフワールドカップ】

 3週連続のタフな戦いを乗り越えた3人。それでも彼女たちが実感しているのはプロの世界とは差があるということだ。安田は「足りない部分は探したらいくらでもあります。全部のレベルを上げていかないと」と語っており、まずはドライバーの飛距離が最初の課題だとしていた。

 今回のジュニアワールドカップに参加した選手たちは、高校卒業後にはプロテストを受け、クォリファイングトーナメント(QT)への出場を明言。LPGAツアーへの参戦を目指す彼女たちからは「賞金女王」「海外挑戦」という言葉も飛び出している。奇しくも彼女たちが日本女子アマを戦い終えた22日から開幕した米女子ツアー「ウォルマートNWアーカンソー選手権」(米国アーカンソー州・ピナクルCC )では、19歳の畑岡奈紗(森ビル)が念願の米ツアー初優勝。年齢が近い彼女の活躍は、大きな刺激になっただろう。

 また今回、日本代表を背負っての戦いを経験したことで「五輪」という目標も意識している。西村が「五輪に出場してメダルを取ることは小さい頃からの目標。正直、(2020年の)東京五輪は少し時間的にも厳しいですが、目指すのは次の(2024年の)パリ大会かと思っています」と話せば、安田は「2024年までにはしっかり成績を出したい」、古江も「頑張ってパリを目指したい」と口をそろえた。

デンマークチームの選手たちもいつかは「メジャー大会で勝ちたい」と目標を語っている 【画像提供:トヨタジュニアゴルフワールドカップ】

 男子の優勝チームであるデンマークの選手たちも「メジャーで勝つことが将来的な目標。ナンバーワンになりたい」と話し、五輪については「デンマークには強いプロの選手がいるから、東京は考えられない。でも、出られるなら出たい」とプロの世界で戦う意識が高かった。

 ジュニア世代の選手たちにとっての「登竜門」的な大会となった「トヨタジュニアゴルフワールドカップ」。同世代間で“世界”を感じ、国際舞台を経験した選手たちは、まだまだ成長途中。彼ら、彼女たちの高いポテンシャルを発揮するために、これからプロの道に進んで、それぞれの目指す夢へとチャレンジを続けていくことになるだろう。

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