「リクエスト」は投手にとって嫌な間!? NPB新ルールをOBが斬る(1)

ベースボール・タイムズ

「リクエスト」で選手が救われる

監督の猛抗議で選手が燃えることはないと、時代の流れを見て感じるOB3氏。しかし「リクエスト」の導入で選手が救われる部分は大いにあるようだ 【写真は共同】

――その一方で、微妙な判定に対し「監督が猛抗議!」というシーンが見られなくなるのでは? 抗議によって「選手の闘志に火が付く!」という試合がなくなるのは、観る方としては寂しい気もしますが、選手の立場からするとどうなんでしょうか?

佐野 そうね。でも乱闘も含めて、だんだんと時代がそういうことに対して寛大じゃなくなってきているからね。もう昔のような、僕たちが現役時代の頃のような野球に戻ることはないからね。それが時代の流れだと思うよ。

中根 確かに僕が現役の時も、ハーフスイングを取られて、「えっ!絶対止めたやん!」って思ってベンチを見た時に、監督が「おい!違うだろ!」って抗議してくれると気持ち的に救われたけどね。でも反対に、出てきてくれなかった時は「やっぱり俺の時は来てくれないか」って。そういう時の方が多かったよ……。

佐野&門倉 ハハハハ(笑)

中根 それに選手も「監督が抗議したから燃える」っていうのは、実際のところは、そんなにないと思うけど?

佐野 そうそう、「もうええって、早くやろうぜ」って。「どうせ判定は変わらんのやから」って思ってたけどね。ただ、それが今後は「リクエスト」して判定が覆る可能性がある。その意味では、選手としても救われる部分が大いにあるでしょう。

――リクエスト制度に関して、今後もっとこうして行けばいいという改善点などはあるでしょうか?

佐野 現状、スピードの部分だけでしょう。理想は「リクエスト」された直後、10秒以内とかには、もう「アウト」「セーフ」の答えが出るくらいがいい。

門倉 そうだね。まずは素早い判定をお願いしたい。それぐらいのスピード感だとピッチャーとしてもありがたいね。

中根 そのために、プロ野球OBじゃなくていいけど、カメラの台数を増やすだとか、観る人の数を増やしたり、質を上げてもらいたい。「リクエスト」は継続発展という形でお願いします。

<<第2回:申告敬遠編(6月21日掲載予定)につづく>>

今回は中根仁氏、佐野慈紀氏、門倉健氏のOB3氏にプロ野球の新ルールを語ってもらった 【ベースボール・タイムズ】

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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