なぜ、横浜の企業はベイスターズに共感? 文化として一緒にブランドを積み上げる
「ブランド認知を図るため」の施策
細井社長いわく「ブランド認知」の施策としてベイスターズの冠試合を始めたという 【スポーツナビ】
「当然われわれは車を販売するのが商売なので、拡販用チラシやホームページに冠試合のことを記載し、お客様の招待や『スタメンキッズ』などの話題を提供しました。ただ、結果それが商売につながるということではなく、ベイスターズさんと弊社の親和性が高いイメージになってくれれば喜ばしいのかなと。一緒になって横浜ブランドを積み上げていきたいですね」
そのブランド認知や親和性を高めた例として、試乗プレゼント用のマフラータオル(ベイスターズの青と同社の水色を配したデザインとなっている)欲しさにファンの来店が大挙して訪れたことや、同社SNSの「いいね!」数やコメント数が増加したことが挙げられる。各店舗の店長からも同様の報告があったそうだ。
顧客満足度の上昇に確かな効果をもたらしたこの取り組みだが、細井社長が感じたメリットはそれだけではなかった。
「従業員も冠試合を持つことで非常に喜んでいると聞きます。これは非常に特別感があるみたいで、従業員満足度を上げるのにも効果的な施策ですね。また、わが社と取引している損保会社やタイヤメーカー、部品メーカーの方々も同じように試合へご招待しており、窓口の方には大変喜ばれました。ベイスターズファンの輪が広がるし、弊社の輪も広がるので、とてもいいことだなと思いますね。この試みは文化として、“ホンダカーズ横浜カルチャー”として定着させていくべきだと強く思います」
お客様に最高の瞬間を
ベイスターズの選手に触れたり、話したりできることは、子どもたちにとってもかけがえのない瞬間になるだろう 【赤坂直人/スポーツナビ】
「『お客様に最高の瞬間を提供します。』が弊社のスローガンなので、実現するためにはお客様から『いい会社だね』と言っていただくような経営をしなければならない。その中でブランド形成にベイスターズさんの存在が非常に大きくなってきています。ベイスターズさんを応援することで、お客様に共感してもらえるような会社づくりをしていきたいですね」
同社の冠試合は前述の5月に1回目を終え、7月と8月に残りの2回が予定されている。ファンや地域住民、ひいては顧客となりえる人全員に「最高の瞬間を提供」するためにも、同社はベイスターズを最大限応援していく。
(取材・文:加賀一輝/スポーツナビ)