日本代表、スイス戦を前に焦りの色はなし ピッチ内外で盛んな「即席ミーティング」

飯尾篤史

見えてきたスイス戦のスタメン11人

大島はスイス戦で先発出場する可能性が濃厚 【写真は共同】

 この日のトレーニングでおぼろげながら見えてきたのは、6月8日に行われるスイスとの親善試合のスタメンである。これまでの傾向から「ビブスなし組」が主力だと考えられるが、CKの練習では、大迫、原口、本田、宇佐美、長谷部、大島、長友、昌子、吉田、酒井高の10人がビブスを着けていなかった。

 実は彼らは、前日の紅白戦の1本目でもビブスを着用していなかった。おそらくスイス戦は彼ら10人とGK川島永嗣、もしくは東口のどちらかが先発でピッチに立ち、スイスと同じ4−2−3−1のフォーメーションで戦うことになるのではないか。

 スイス戦の前々日にあたる6日、前日の7日はトレーニングが非公開となるため、セットプレーをさらに詰めていくことになるはずだ。原口が言う。

「非公開では今日とは違うことをやると思う。今日はすごくシンプルな入れ方だったけど、これがすべてじゃないから」

 選手の表情を見る限り、焦りの色は感じ取れない。議論し、意見を出し合ってチームを作り上げていることへの手応えを口にする選手が多い。確かに、チームは少しずつ、着実に整備されてきている。

 だが、果たして、これで本当に間に合うのだろうか、という疑問も拭えない。残された時間は決して多くない。まずは8日のスイス戦でチーム作りの成果を確かめたい。

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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