本田「結果は想定外、内容は想定内」 国際親善試合 ガーナ戦後のコメント

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本田は「サッカーの怖さを思い知る負け方だった」とガーナ戦を振り返った 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は30日、日産スタジアムで国際親善試合のガーナ戦に臨み、0−2で敗れた。日本は前半8分にトーマス・パーティーの直接フリーキックから先制を許すと、後半6分にも川島永嗣のファウルでガーナにPKを献上。これをエマニュエル・ボアテングに決められると、最後までガーナゴールを揺らせないまま試合終了を迎えた。

 試合後、本田圭佑は「結果は想定外、内容は想定内」とガーナ戦を振り返った。「サッカーの怖さを思い知る負け方だった」「無得点もいただけない」と結果を悔やみつつ、「最後のところのビジョンの共有が足りない」「いきなりあうんの呼吸が生まれるほどサッカーは甘くない。でもそこにいくまでの過程で何個か手応えをつかんでいる」と攻撃面ではポジティブな要素を口にした。

 また、ワールドカップ(W杯)ロシア大会のメンバー入りに対しては「当然、自分自身は入ると思っているし、そのために準備をしてきた」と自信をのぞかせた。長友佑都は「批判されればされるほど僕らは立ち上がる」と力強いコメントを残しつつ、「結局チームなので、どれだけ本当にまとまれるか」とチームが結束することの重要性を語った。

本田圭佑(パチューカ/メキシコ)

「サッカーの怖さを思い知る負け方だった」

(どうしても勝ちたかった試合を勝てなかったが、内容を整理すると?)結果は想定外、内容は想定内という感じですかね。結果に関しては勝ちたかったというのは本音ですし、何よりも、サッカーの怖さを思い知る負け方だったと思います。でも、これで負けるのがサッカーなので、ポジティブにいうなら今で良かったと。DF陣はたぶん「やられた」という感触がないまま負ける、これがサッカーなので。僕ら(攻撃陣)も点を取れなかったところにはもちろん反省点としてありますし、無得点もいただけないとは思っています。

(かなり幅広い範囲を動いていたが)相手によると思います。相手のサイドバックのタイプによって動く幅を変えているので、そこは臨機応変に、全部こういうふうに動くということではないです。

(4年前のトップ下で中心にいた姿が戻ってきたような印象?)今回は、ゼロスタートだと思っています。内容が想定内というのは、やっぱり最後のところのビジョンの共有が足りないんです。でもこれは本当に想定内で、いきなりそこで、あうんの呼吸が生まれるほどサッカーは甘くない。でもそこにいくまでの過程で何個か手応えをつかんでいるので、良くなるという手応えはあります。特に攻撃に関しては。

(それはハリル監督の時にはなかったプレーがあったから?)というより、ファイナルサードまではいけているんですよね。でも点を取れていない理由は、そこからの単調なクロスになっていたり、読まれているプレーばかりしているのが今日の反省点です。それが逆に想定内で、でもファイナルサードまでいく部分は割といい場面が何度もあった。僕や(香川)真司とか(宇佐美)貴史が間で受けられている場面が何度もあったので。

(残り2〜3週間ですり合わせはできるもの?)よくはなります。そこは間違いないです。ただ、どれくらいよくしないといけないのかという議論になってくると思うので、それはいつも言ってるように、そんな甘い話じゃないです。当然、時間があるし、よくできるだけしないといけない。もうこれでもかっていうくらい詰めていかないといけないわけです。

 とりあえず次ですね。次までにまた1個よくして、さらに次までにまた1個よくして、というイメージでいます。今日1試合やれたことで、特に攻撃に関しては僕は何が必要かは明らかに分かってきています。守備は課題がけっこうあると思うんですけれど、そこはちょっと詰めていきます。

(ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の最後の試合ではW杯メンバーから落ちるかもしれないと言っていたが)どちらにしてもメンバーは決まるわけじゃないですか。当然、自分自身は入ると思っているし、そのために準備をしてきました。そういう心境です。

(W杯まで3週間しかないが、前回や8年前との違いは?)明確に違うのは立場。ただ自分のプレーのことだけ考えていたあの時とは(違う)。今、自分に求められてる仕事というのは、よくも悪くも達観してチームを見ているので、それをプラスに変えたいです。

長友佑都(ガラタサライ/トルコ)

「批判されればされるほど僕らは立ち上がる」と長友は力強いコメント 【写真:高須力】

「批判されればされるほど僕らは立ち上がる」

(過去2大会の同じ時期と比べて心境の違いは?)僕もたくさんの経験をさせてもらったので、今の自分自身はすごく冷静というか、落ち着いている部分があります。ブラジルの時は「やってやる」という強い気持ちだけでいきましたけれど、今は本当に強い気持ちと、冷静さがあるなと感じています。どんな状況でもブレない、自分の中の軸というものができたんじゃないかなと。すごくいい状態かなと思っています。

(8年前もやり方を変えて結果を残したが、今回も変えようとしている上で大事なことは?)結局チームなので、どれだけ本当にまとまれるかだと思うんですよね。結局はそこに尽きるなと思っています。南アフリカでああいう状況の中、批判されながらも岡田(武史)さんは迷いながらもあの決断をして、その決断に僕たちがついていくっていう、本当に強い気持ちがチームをひとつにした部分があった。正直、ブラジルW杯の時の方がみんな海外での経験があったし、1人1人のレベルを見ても強かったのかもしれないですけれど、結局はチームだなというのをその2大会を比べて感じています。

 今は本当に難しい状況の中で、今日もすごい課題が出ましたけれど、すごいポジティブな部分もたくさん見えました。僕自身は、南アフリカの時じゃないですけれど、チームがひとつになるというところにたどり着けるんじゃないかなと思っています。けっこう打たれ強い選手が多いと思うんですよね。追い込まれれば追い込まれるほど、批判されればされるほど、僕らは立ち上がるので、その状況の方が僕らにとってはポジティブな状況なんじゃないかなと僕は思っています。

(8年前もミーティングから始まっているが)そうですね。あのミーティングは今でも覚えていますね。ああいうミーティングをもっと増やすべきだと思うし、あれでひとつにまとまったという経験があるから。ただ、僕は絶対よくなるなってすごく感じているんです。根拠はないんですけれど。

(ポジティブということだが、去年の8月から1勝しかしていない。しっかり下がって守ることも考えていく?)考えていかないと結局、厳しいかなと思っているので。FKの練習を昨日ちょっとやっていますよね。マンマークでついてラインを下げるのかとか、そういった細かい部分もやっていかなければいけない。やっぱり今日の壁の作り方も実際、あれで良かったのかとか細かいところです。それで失点しているので。そこは詰めていかなければいけないし、詰められる部分。流れの中で点を取られなかったとか、前半はそこまでチャンスを作らせなかったとか、そこは僕はポジティブに捉えています。ただやっぱり結果は見ないといけないので。

(今日のチャンスはほとんど長友の左サイドからだった)でも最終的に得点に絡んでいないし、(クロスの)精度で(相手に)引っかけるというのもあった。自分のコンディション的にはすごく良い状態ですし、自分自身もW杯でもやれると確信しています。でもW杯は細かい精度で結果が決まってしまうのでね。危機感はやっぱり持っています。

香川真司(ドルトムント/ドイツ)

香川はガーナ戦で「非常にポジティブなものをたくさん得た」と言う 【写真:高須力】

「非常にポジティブなものをたくさん得た」

 入り自体は悪くなかったので、チームとして両ワイドを高く取りながら、3センターもどんどん前に圧力をかけて2次攻撃、3次攻撃ができていた。その時間帯に僕自身もチャンスがあった中で、決め切らなければいけなかったなと。そこはちょっと課題である反面、見いだせるものはたくさんあったんじゃないかと思います。

(本大会でも最初の15分が重要になってくることもあると思うが)前後半ともに最初の10〜15分はお互いにチームとして隙があると思っているので、そこになれるまで時間があると思っています。逆に失点してしまったという意味では、最初はこだわって入ったんですけれど、僕らにもチャンスがあった中で1つのチャンスをもっと決めていかないと厳しくなっていくのではないかと思います。

(このシステムの2シャドーはインサイドバーフの役割に近いと思うが)僕自身はすごく手応えを感じていますし、おそらくチームのみんなも試合後を含めて手応えを感じていると思います。それをさらにモノにしていかなければいけないです。ただ、選手の距離感だったり、攻撃に出た際の厚みは今までにない形が多々あったんじゃないかなと思っています。悪くないですし、これから短期間ですけれどさらに構築していければ、十分に可能性を感じられるのではないかと思っています。

(西野監督からの指示は)ボランチの両脇だったり、バイタルエリアでボールを受けるように。自由に動いていいとは言われていました。(そのあと2トップのトップ下に入ったが)個人的には最初の方がうまくハマっていた感じはしますが、チームとして組み合わせを含めていろいろなことにトライすることは悪いことではないです。逆に2トップにしたときにどうするべきなのかをチームとしてもっと明確にして戦っていく必要があるし、フォーメーションが変わる中で対応していかなければならないところも出てくるので。そして、その意図を僕たちは感じていかないと。もちろんそれは練習期間を含めて短かったこともありますけれど、それを今後の練習だったり試合の中で試していければいいと思います。

(コンディションは)コンディション自体は悪くないですが、それを証明しなければいけないので。ただ、コンディションは良くても結果が出なかったら勝てないですから。内容の良さは求めていないし、やはり勝ちにいかないといけない。それを強く意識しながら、より勝つ確率を上げていけるか。もっと僕たちはやっていかないといけない。ただ、今日の試合では非常にポジティブなものをたくさん得たと思います。もちろん負けたことには悔しいですけれど、切り替える必要はあるんじゃないかと思います。

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

「根本的なところから話を進めないといけない」と危機感を口にした吉田 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

「根本的なところから話を進めないといけない」

(3バックの中央ではなくストッパーでのプレーだったが)僕と槙野の前のスペースがかなりあるので、そこに持っていくことができれば、そこからボールを配給できる可能性は高くなります。

(守備面でのポジティブな成果は)前半も後半も前からハメにいく形と、スライドもうまくいったところはけっこうありました。(原口)元気もうまくスライドして、本田さんを動かしながら自分が出ていく守備をしていたし、(酒井)高徳は元から守備の選手なので、そこはより理解しているし、僕の同サイドではやりにくい、難しいという時間は少なかったです。

(残り3週間でコロンビア戦だが)間に合わせるというところでしょうか。(メンバー発表をどういう心境で待つ?)特には。

(今後に向けて)もちろん新しいことにチャレンジしているので、こういう理想を持って、というふうに挑みますけれど、試合の中で自分たちの理想じゃない形が出てきた中で話し合って修正できると思いますし、そうしなければいけない。絶対に、理想通りに試合が進むということはないので。4年前のコートジボワール戦でも、そこで修正できなくてズルズルいってしまったので、そこの修正力がすごく大事になってきます。

(流れの中からやられていないという感覚はある?)いつもそうなんですけども、 そんなに大崩れしていないのに失点してしまうというのがずっと続いている。結局、そこなんですよ。点を取られたら勝てないし、点を取らないと勝てない。10月から1試合も勝っていないので、そこをちゃんと理解して、もっともっと内容がどうこうというよりも、まずは戦わないといけない。そういう根本的なところから話を進めていかないといけないんじゃないかなと思っています。

 もちろん勝って壮行会をしてほしかったですし、相手がW杯に行かないチームで、レギュラーも来ていないし、17人しか来ていないという中で勝てなかったというのは恥ずべきことだと思います。応援してくださった皆様、ウカスカジーの皆さん、雨の中頑張ってくれた吹奏楽部の皆さんに申し訳ないと思います。多分、皆さんが思っているより、みんなこれは間違ってると思いながら壮行会を見ていました。

長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)

長谷部は「悪い感覚は正直持っていない」と敗戦もポジティブな感想 【写真:高須力】

「悪い感覚は正直持っていない」

 1番は勝ちたかった。そこが一番ネガティブかな。負けた時は冷静に試合を振り返らないといけないと思うので、そういう意味では良かったところもたくさんあったと思います。逆に新しいことをした中で、もっとこうしないといけないというところもたくさん出てきた。本当に、こういうゲームの後ですが、そんなに悪い感覚は正直、持っていないですね。

 1失点目も2失点目も、ああいうところは1つのミスではない。本当に小さなミスというのは、W杯にいったらより大きな結果につながってしまう。こういう試合でも実際にこういう結果につながっているので。実際にW杯(の出場が)決まってから結果が出ていない。やっぱり、勝ち癖というか勝つことによって自信が生まれてくるのが間違いなくある。今日の負け、ああいう小さなミスが連続してああいう失点につながる。もちろん突き詰めていかないといけないところだと思います。

(3バックの手応えは)結果はおいておいて、自分たちのオプションとして持つという手応えはもちろんあります。4バックをこれまでやってきた中で、そこはベースとしてあると思いますが、3バックをやっていても悪い感覚はあまりないです。

(完成度はどこまで高めたい?)3バックでやる初めての公式戦だった。そういう中でもう一度しっかり映像を見て振り返らないといけないとは思います。本番まであと2試合ある。あとは発表があるので、その後になると思うけれど、みんながしっかりと共通認識を持って。今日やっている中でも、相手の出方によって3バックの問題点も出てきたし、どんどんやっていくことで高まってくる部分ではあるかなと思います。

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