【交流戦直前通信簿】12球団の明と暗 広島が3連覇へ快走!? パは混沌
チーム力の賜物で首位を走る広島
最大の「明」は、大瀬良大地だろう。開幕ローテ順では3番手だったが、ここまで9試合に先発してリーグトップタイの7勝(2敗、防御率2.34)をマーク。4月29日以降は自身5連勝中で、そのうち2試合が完投勝利と内容も文句なし。余裕のあるマウンドさばきを見せ、カープ伝統の“三文字エース”然たるピッチングを披露している。その他、岡田明丈、中村祐太の頑張りが目立つが、チーム全体を見ると決して万全という訳ではなく、チーム打率2割5分4厘、チーム防御率3.69は、過去2年(2016年:打率2割7分2厘、防御率3.20、2017年:打率2割7分3厘、防御率3.39)と比べて大きく数字が悪化している。過去2年断トツだったチーム盗塁数(2016年:118盗塁、2017年:112盗塁)も、今季はここまでリーグ5位の26盗塁に留まっている。
この状態でも勝てているのが「チーム力」の賜物ではあるが、不安の残るリリーフ陣を筆頭にチームとしてはまだまだ付け入る隙がある状態。その分、勢いを付けることに成功した過去2年の交流戦(2016年:11勝6敗1分、2017年:12勝6敗)同様に、ここからの3週間の戦いが3連覇への大きなカギを握ることになる。
阪神は貧打も強力先発陣で2位浮上
3位は勝率5割の横浜DeNAだ。開幕6試合1勝5敗だったが、破竹の8連勝を飾って一時は首位に躍り出た。しかし、4月下旬以降からは波に乗れない1カ月を過ごした。エースとして期待される今永昇太が2戦2敗、防御率9.00と大誤算。ここに来て主砲・筒香嘉智が完全復調気配で、ルーキー左腕の東克樹も4勝&防御率1.84と躍動中。京山将弥、飯塚悟史といった新星が交流戦で活躍すれば面白い。
5月中旬から2位を守って首位追撃態勢を整えていたはずの巨人は、甲子園で3タテを食らって4連敗で4位転落となった。投手陣ではエース・菅野智之が開幕直後の不振から抜け出し、山口俊も4完投と奮闘。打線では坂本勇人が高レベルの首位打者争いに加わり、岡本和真が打撃3部門(打率3割3分9厘、9本塁打、33打点)でリーグ5傑に入る活躍を見せているが、個人成績をチームの勝利へとうまく繋げることができていないのが現状だ。
広島に勝ち越すなど中日は台風の目
苦しいのが東京ヤクルト。断トツの最下位だった昨季からの巻き返しを狙っているが、ここまで17勝26敗1分の最下位。復活した山田哲人に青木宣親が加わり、坂口智隆が絶好調の打線は魅力タップリだが、懸念していた通りに投手陣が不安定で、チーム防御率4.54は昨季の4.21よりも悪い。ただ、それでも5位中日とは3.5ゲーム差。交流戦でさらなる“混セ”を演出することは十分に可能だ。