伊藤鐘史氏がラグビーで学んだこと 「激しく戦って試合後は相手を称える」
印象に残っているチームは「オールブラックス」
2013年にはオールブラックスと対戦。伊藤氏はラインアウトで競り合った 【写真:ロイター/アフロ】
僕は右膝の軟骨移植手術をしているんです。ちょうどリコーの最後の年、20代の終わりごろだったんですが、リハビリで1年ちょっとかかりました。それまで、膝の軟骨移植をして、80分プレーできるところまで復帰できた人はいないと聞いていたんです。リハビリは辛かったけど、復帰して80分フル出場できたときはうれしかったですね。
――今まで一緒にプレーした選手で印象に残っている選手を挙げていただくと。
選手でいうと、リコー時代にチームメートだったスコット・ロバートソンですね。オールブラックスのナンバーエイトだった選手なんですが、彼のタックルはこれまで見たなかで一番すごいタックルでした。彼には「レザー」というニックネームがあるんですが、本当にカミソリのような切れ味で、ヒットした瞬間、相手が倒れてるんです。同じチームだったので、僕はタックルされたわけじゃないですが、味方として本当に頼もしかった。
チームで言うと、やっぱりオールブラックス(ニュージーランド代表)ですね。強いのはもちろんですが、プレーしていて面白いというか「さすが世界一のチームだな」と思う場面がたくさんあった。パワーというよりも、スペースへ仕掛けるのがうまい。試合運びがうまい。こっちが自分たちの強みをだそうとしても、サラッとかわされてしまう。15人の選手全員が同じように試合を見て、プレーしているなと感じました。
――伊藤さんにとってラグビーの魅力とは。
やっぱり、一番心を揺さぶられるスポーツだと思います。見ている人にとってもそうかもしれないけど、プレーしている自分も、毎試合毎試合、激しく体を張りながらいろんな感情に揺さぶられるし、その経験を通じてプレーヤーとして成長できたときは本当にうれしい。
そして、試合が終わると、どれだけ激しくやりあった敵同士でも握手するという文化がある。本当に気持ちいいスポーツだと思います。もちろん勝って握手するのが一番うれしいけれど、たとえ負けたときでも相手を称える。そういう人としての振る舞い、気持ちの切り替えを学べたのもラグビーです。
ラグビーワールドカップの雰囲気を味わってほしい
191センチの長身でグラウンド内を走り回り、チームメイトからの信頼が厚かった 【写真:築田純/アフロスポーツ】
まず、あの素晴らしい大会を、一人でも多くの日本国民のみなさんに見て楽しんでほしい。日本代表はもちろんですが、どこのチームも国の威信をかけて戦う。その姿には間違いなく感動すると思うし、試合を見てもらえればもちろんいいけれど、もしチケットが手に入らなくても、スタジアムの近くに行って雰囲気を味わうだけでも感じるものは絶対あると思う。
僕自身は、地元の神戸で4試合あるので、何かサポートできることがあれば喜んでやりたいと思っています。一緒に2015年のワールドカップを戦った選手もたくさん頑張っているし、中心になって引っ張っていってほしい。もちろん、ファンは前回大会以上の成績を期待するだろうけれど、それをプレッシャーに感じるんじゃなく、自分たちの力を出し切ってさえくれれば、いい結果がついてくると思うし、思い切りやってほしい。僕は、その姿を見て楽しませていただくつもりです(笑)。
――伊藤さんは今春から京産大でFWコーチに就かれています。
毎日学生と一緒に頑張ってますよ! 目指すのは、選手の能力を最大限引き出してあげること。評価の基準はラグビーに取り組む姿勢、ひたむきさに置きたい。そこに、僕が選手として経験してきたスキルを付け加えてあげたいと思っています。今年の京産大は日本一を狙えるチーム。狙っていきます!
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