波乱傾向が強いヴィクトリアマイル データ推奨の軸穴はカワキタエンカ

JRA-VANデータラボ

15年は3連単2000万円超の大波乱

 今週は東京競馬場で春のマイル女王決定戦、ヴィクトリアマイルが行われる。15年には最低人気だったミナレットが逃げて激走し、3連単2000万円超の大波乱となった。昨年は6番人気アドマイヤリードが勝利。1番人気ミッキークイーンは7着に敗れるなど、波乱の結末となっている。このように波乱傾向が強い一戦を過去10年のデータから分析し、馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

ヴィクトリアMの人気別成績(過去10年)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は13年ヴィルシーナら3勝で、連対率・複勝率60%とまずまず。対して、2番人気馬は11年アパパネの1勝のみで、複勝率20%と低い。以下、5番人気馬が2勝、4・6・7・11番人気馬が1勝ずつ。昨年は6番人気のアドマイヤリードが勝つなど、中位人気馬による勝利が多い

 また、2・3着馬は下位人気馬で幅広く分布している。昨年は11番人気デンコウアンジュが2着に激走するなど、黄色で強調したように10番人気以下の激走が目立っている。15年には5番人気ストレイトガールが勝利し、2着に12番人気ケイアイエレガント、3着に18番人気ミナレットが激走。3連単2070万5810円の超高配当も飛び出している。昨年も人気順で6→11→7番人気で3連単91万8700円の波乱。近5年中4年で3連単10万円以上の配当となるなど波乱傾向が強い一戦だ。

ヴィクトリアM出走馬の所属別成績(過去10年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表2は出走馬の所属別成績。出走数が多い栗東所属の関西馬が昨年のアドマイヤリードら過半数の8勝をあげ、連対率・複勝率でも関東馬を大きく上回っている。近2年連続で1〜3着を独占しており、毎年1頭は3着以内に入っている。

 ただし、美浦所属の関東馬は複勝率こそ低いものの、複勝回収率では100%を大きく超えている。というのも、関東馬の3着以内馬7頭中4頭が10番人気以下の人気薄での激走だったため。15年最低人気で3着に逃げ粘ったミナレットも該当しており、関東馬の人気薄での激走には注意しておきたい。

ヴィクトリアMの前走レース別成績(過去10年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は前走レース別成績。出走数が多いのが阪神牝馬S組と福島牝馬S組。阪神牝馬S組は昨年のアドマイヤリードら最多の4勝をあげている。連対率・複勝率はそれほど高くないものの、一昨年は1・2着馬、昨年は1・3着馬が該当している。また、福島牝馬S組は勝ち星こそないものの、2・3着馬が2回ずつ。この組の3着以内馬4頭中3頭が10番人気以下の人気薄で、複勝回収率は非常に高い。複勝率こそ低いものの、レベルが低い前哨戦と見られており、その分人気薄での好走が目立っている

 その他では中山牝馬Sから12年ホエールキャプチャが勝利。大阪杯・ドバイDF・高松宮記念・マイラーズC・ドバイSCといった前走牡馬混合重賞からも半数の5勝をあげている。これら前走牡馬混合重賞組にも注目しておきたい。

阪神牝馬S組の好走馬の前走成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は出走数最多の阪神牝馬S組の3着以内馬の前走成績。まずこれら10頭のヴィクトリアMでの着順と人気を見ると、大半の8頭が人気以上に走っている。また、前走での人気を見ると、13年ホエールキャプチャ以外の9頭は5番人気以内に推されていた

 つまり、前走阪神牝馬Sで5番人気以内に推されていて、本番で人気を落とした馬の好走が目立っている。この中には前年に優勝していた13年ホエールキャプチャ、14年ヴィルシーナも該当している。

福島牝馬S組の好走馬と前走成績(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は福島牝馬S組の3着以内馬と前走成績。昨年のデンコウアンジュをはじめ4頭いずれも前走で5着以内には入っていた。表4の阪神牝馬S組とは違って、前走で掲示板を確保しているのが必須条件といえる。

 なお、デンコウアンジュ以外の3頭はヴィクトリアMで逃げもしくは先行して馬券圏内に入っていた。

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