波乱傾向が強いヴィクトリアマイル データ推奨の軸穴はカワキタエンカ

JRA-VANデータラボ

ヴィクトリアMの種牡馬別成績(過去10年)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6はヴィクトリアMの種牡馬別成績。フジキセキ産駒が最多の3勝をあげており、15年・16年ストレイトガールによる連覇がある。ディープインパクト産駒は13年・14年にヴィルシーナが連覇し、昨年もジュールポレールが3着と好走している。同じ産駒でも多くの馬が好走している方がレースとの相性が良く、その点でディープインパクト産駒は好相性といえるだろう。

 その他ではクロフネ、キングカメハメハ、タニノギムレットなどNHKマイルCで上位に入った馬の産駒から勝ち馬が出ている。なお、マンハッタンカフェ産駒はレッドディザイアやルージュバックといった上位人気馬がいながら馬券圏内はなし。ハーツクライ、ダイワメジャー産駒からも3着以内馬が出ていないが、サンプル数が少ないだけにあまり気にすることはないだろう。

ヴィクトリアMのリピーター好走馬一覧(過去10年)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表7は過去10年で複数年好走したリピーター馬の一覧。ウオッカやブエナビスタといった名牝は2年連続で1番人気に推されていたが、ホエールキャプチャ、ヴィルシーナ、ストレイトガールの3頭は前年に優勝しながら、2年目では人気を落としていた。

 それだけ前走を含めて中間のレースで負けていたので人気を落としていたわけだが、それら3頭もヴィクトリアMに合わせて復活している。また、これらリピーター馬はすべて前年に1着だった。中間の成績が悪くても、前年の勝ち馬には注目しておきたい。

結論

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の出走予定馬は表8のとおり。

 過去10年でウオッカやブエナビスタといった名牝でも敗れることがあり、特に近5年は波乱傾向が強くなっている。それだけ各馬の実力差が接近しており、ペースや展開によって結果が大きく変わる可能性が高いことを表している。

 これまでのデータから推奨したいのがカワキタエンカ。前走福島牝馬Sは2着に敗れたものの、逃げ馬には厳しい流れだった。昨秋にはローズSでリスグラシューやミスパンテールに先着しているように、地力は高い。前走福島牝馬Sの好走パターンにも合致し、血統的にもディープインパクト産駒で母父クロフネと東京マイルの適性は高いだろう。人気薄で逃げての粘り込みに期待したい。

 リピーター馬に注目ということでアドマイヤリードも狙いたい一頭だ。昨年はやや重で馬場が味方したと思われているが、速い時計にも対応できる。近2走は12着、4着と敗れているが、この一戦に照準を合わせてきている。昨年の覇者の巻き返しにも注意だ。

 他ではクロフネ産駒で昨年のNHKマイルCを勝っているアエロリット、ディープインパクト産駒で先週半弟のレッドヴェイロンが好走したレッドアヴァンセ、昨年の桜花賞馬で今回かなり人気を落としそうなレーヌミノルあたりも上位評価しておきたい。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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