元騎手“岩手のまゆゆ”皐月賞大胆予言 トライアルを分析して勝ち馬を探る!

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引退後、引きも切らないオファーにうれしい悲鳴の毎日だという元騎手の鈴木麻優さん。独自の視点を生かした予想と明るいキャラクターで今後に期待! 【netkeiba.com】

 岩手競馬の元騎手で、1月31日に引退した鈴木麻優さん。すでに評論家、予想家として精力的に活動中で、テレビの出演や講演会への出席など引く手あまたの多忙な毎日を送っている。そんな彼女の予想家としてのモットーは「元騎手ならではの視点」。今回は皐月賞につながる各トライアルを映像で振り返ってもらい、元騎手の視点から3歳牡馬クラシック第一弾・皐月賞を分析してもらった。キーワードは“展開”と“経験”だ。

ダノンプレミアムがいなくなった影響は

 正直、ダノンプレミアム(弥生賞1着、その後挫跖による回避が決定)に関しては“ちょっとこの馬以外には皐月賞馬は考えられない”といった感じでした。あのくらいの能力があれば大外枠とか、逆に内で包まれるのを嫌って逃げてしまうとか、少しくらいのアクシデントがあっても負ける可能性は限りなく低かったと思います。

 これまでの対戦で、ステルヴィオ(スプリングS1着、過去2回ダノンプレミアムの2着)もワグネリアン(弥生賞2着)も良い脚で伸びているんですけど、前から行ってさらに伸びるあの脚を使われてしまったら、物理的にどうしようもないですね。弥生賞でも、少し行きたがっているなかであの勝ちっぷりですし、距離が延びるダービーまで含めて負かせる馬はいないと思います。回避は本当に残念です。

 圧倒的な力を持つダノンプレミアムが回避したことでペースも落ち着くのではないかなと見ています。展開の影響の受け方が変わってくる馬もいて、もちろん結果も変わってくると思います。ダノンプレミアムが出走していた場合に、横とか真後ろからマークして追いかけていく必要があった馬には、とくに有利に働く可能性が大きいです。そういう馬にとっては流れが楽になりますし、予想としても狙いたいところです。

 そういう視点でいえば、注目はエポカドーロ。スプリングSでも前走・小倉のあすなろ賞で逃げ切った走りから中山にも向くと見て、本命の印を打ち惜しくもゴール直前で差されて2着でした。ダノンプレミアムともちょっと違う、前から行って“残る”タイプのこの馬に展開が向いて、本番の皐月賞でも再度残る可能性は高いです。そこまで上位の人気にはならないと思いますし、対抗くらいの印を打ちたいですね。

3歳馬の“経験”は本当に大事

展開を味方につけ粘りこみを図るエポカドーロを、朝日杯FS2着の意地でゴール前捕らえたステルヴィオ。写真は2018年スプリングS。(C)下野雄規 【netkeiba.com】

 現時点での本命は、そのエポカドーロを差し切ったステルヴィオですね。“一歩一歩しっかり”といった感じの走り方も良いですし、デビューからの馬体重の推移も理想的です。若い馬なので、夏はやっぱりちょっと体重を減らしやすいんですけど、そこから少しずつ増やしてきているのが良いです。皐月賞で、またちょっとふっくらしてくれば“ちょうどいい”って感じだと思います。

 私が、とくに3歳戦で重視しているのは“経験”ですね。コース経験という意味でも重要ですし、強い馬と走って揉まれてきたという経験というものもやっぱり大事です。ですので、皐月賞は弥生賞組とスプリングS組を中心に考えています。相手関係が強くなかった別路線組の馬というのは、よほど速いタイムを出したことがあるとか、ものすごく差を付けて勝ったとか、本番で勝負するにはそういう条件が必要になります。仮にそうだとしても、相手関係が楽なレースというのは抜け出そうっていうときも抜け出しやすいですし、GIという最高峰の舞台で初めて強い相手と戦う際には、若干割り引いて考えなくてはいけません。そういう馬は人気にもなりやすいですが、私はあまり本命を打ったりすることは少ないです。若い馬にとっては、“経験値自体が強み”なんです。

 ですので、2歳時からGIで走り、王道のトライアルレースを勝利し、ダノンプレミアム以外には負けていないステルヴィオが最有力だと思います。自在性も出てきましたし、距離が延びて不利に働くという印象も受けませんでした。ワグネリアンも強いんですけど、ステルヴィオは多頭数や馬群に揉まれた経験がありますし、それぞれダノンプレミアムと対戦したレースを見てみると、こちらを上に取りたいです。

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