元騎手“岩手のまゆゆ”皐月賞大胆予言 トライアルを分析して勝ち馬を探る!

netkeiba.com

元騎手も唸った瞬発力

キタノコマンド―ルは自身には不利な先行有利の展開をものともせず、抜群の切れ味を披露し、しっかりと賞金加算に成功。写真は2018年すみれS。 【netkeiba.com】

 ただ1頭、そういった別路線組で気になる馬がいます。すみれSを勝ったキタノコマンドールは、中山競馬場の経験もないですし、重賞戦線や多頭数で走ったこともなく、勝った2戦とも外を回しての差し切りという馬ですが、レースを見たときにこの切れ味・瞬発力はすごいなと思わず声を出して反応してしまいました。すみれSの第4コーナーのようにこういう“動ける脚”があるのはとても良いです。別路線で1番印象が強かったのはこの馬です。

 直線では少しヨレてしまっていますが、そういうのはむしろ若い馬では成長してくる余地であることもあります。こういう風に“何かする馬”っていうのは本当に苦しいときもありますけど、まだ馬に余裕があって遊んでしまうということも多くて、それが真面目に走る力になっていけば、さらに強くなります。ハイレベルのレースで揉まれてきた経験があるぶん、ステルヴィオのように重賞をステップにしてきた馬のほうを上に取りますが、キタノコマンドールにも伸びシロがあって印を付けると思います。この末脚には注意が必要です。

休み明け初戦となった若葉Sで5着と、思わぬ不覚をとったタイムフライヤー。昨年のホープフルS覇者の復権なるか? 写真は2017年ホープフルS。(C)下野雄規 【netkeiba.com】

 若葉Sで本命にしたタイムフライヤー(5着)はGIを勝った中山の舞台に戻りますし、そのホープフルSでのパフォーマンスを考えれば巻き返す可能性はありますが、重賞ではなくオープン特別の若葉Sからというステップで皐月賞に臨みます。先ほども書いた通り、経験値になるハイレベルのトライアル重賞ではなく、ここで若葉Sを選んだというのはやや気になります。前哨戦でもありますし、勝つとはいわずとも、休み明けということを考えても3着以内には入ってほしかったというのが本当のところですね。共同通信杯を勝ったオウケンムーンも完勝ですし、タイムも優秀なのですが、馬群がバラけたレースで抜け出しやすかったですし、有力馬とは完全に未対決というのが引っかかります。やはり別路線組の筆頭候補はキタノコマンドールでしょう。

 ですので、現時点(4/9現在)での結論としてはステルヴィオとエポカドーロが本命・対抗、キタノコマンドールとワグネリアンが続くというのが私の見立てです。印はもう少し打ちたいと考えていますが、そこの判断材料は追い切りを見ての調子の見極めで考えていこうと思います。

 騎手を引退してから、こうやって予想を披露する場もいただいて、多くのファンのかたに予想を見てもらいたいと思って活動しています。いつも応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします!

■プロフィール:鈴木麻優
1996年1月20日生まれ、宮城県気仙沼市出身。岩手競馬に在籍していた元騎手で、2015年のレディース&ヤングジョッキーズでは、優秀女性騎手賞に輝いたほどの実力の持ち主。一方で、その愛らしいルックスから競馬界の「まゆゆ」と呼ばれており、食べることと競馬予想が大好き。元ジョッキーの視点から、コースの特徴とメンバー構成を吟味し“展開”で予想をするスタイル。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント