無敗優勝へまっしぐらのバルセロナ だが、その陰には重大な問題点が……
順風満帆に見えても、実は深刻な「依存症」
セビージャを相手に、あわや今季初黒星というところまで追い詰められたバルセロナ 【Getty Images】
だが、こうした景気の良い話題の陰には、指摘しておくべき問題も存在している。
ラスト5分で2ゴールを奪い、かろうじて引き分けに持ち込んだ3月31日の第30節セビージャ戦では、バルセロナが2人のキープレーヤーに大きく依存していることが明らかになった。ピッチ上のあらゆる動きを管理するセルヒオ・ブスケッツ、そしてプレー内容とゴールの両面で決定的な影響力を持つリオネル・メッシである。
ブスケッツをけがで欠き、メッシもベンチスタートとなったセビージャ戦にて、バルセロナの選手たちは自陣に戻ることすらままならない混乱状態に陥った。大量失点を喫していてもおかしくなかったこの一戦は、3週間後にセビージャと再戦するコパ・デル・レイ決勝、そしてレアル・マドリーとのエル・クラシコを含めたラ・リーガの残り8試合に影響を及ぼす可能性がある。
ベストメンバーを欠くと別のチームに
ラスト30分、ウスマン・デンベレとの交代で投入されたメッシが、試合の流れを一変させた 【Getty Images】
そしてラスト30分の時点で登場したメッシは、万全のコンディションではないように見えたにもかかわらず、出場からわずか数分のうちに状況を一変させ、もはや不可能と思われた同点劇を実現させてしまったのだ。
しかし、それでもバルセロナが抱える問題が露わになった事実は変わらない。
バルセロナはベストメンバーがそろわなければ強さを維持できず、何人かのキープレーヤーを欠いただけで全く異なるチームとなってしまう。ブスケッツはその1人で、ラモン・サンチェス・ピスフアン(セビージャのホームスタジアム)では彼の不在を色濃く感じさせた。思えば、ハビエル・マスチェラーノが移籍を決断したのも、ブスケッツがいる限りピボーテとしてプレーするチャンスは望めないからだった。同じようにスペイン代表でも、彼の立場は不動であり続けている。