最大の注目はトラウトとプホルス 大谷の同僚・エンゼルスの強者たち

菊田康彦

MVP2度獲得、MLBを代表するスター

MVP2回受賞のトラウト(右)と3回受賞のプホルス 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 いよいよメジャーリーグ(MLB)の2018年シーズンが幕を開けた。これまでに大谷翔平が入団したエンゼルスのオーナー、GM、そして監督を取り上げてきたが、今回はともに戦う選手たちを紹介しよう。 

 今春、米国で最も有名なスポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』のMLB展望号(西海岸版)で、大谷と2ショットで表紙を飾った男。それが現在のMLBを代表するスーパースター、マイク・トラウトである。

 09年にエンゼルスのドラフト1巡目指名でプロ入りし、12年にア・リーグの新人王になって以降、スター街道をひた走ってきた。12年に盗塁王、14年には打点王のタイトルを手にし、ここまで実質6年のキャリアながら14、16年とア・リーグMVPを2度受賞。16年までは“落選”に終わった年も常にMVP投票では次点だった。昨年は自身初の故障者リスト(DL)入りの影響で12年以降では最少の114試合出場にとどまったが、それでも打率3割0分6厘(リーグ6位)、33本塁打、22盗塁の成績で、MVP投票4位に食い込んでいる。

 打ってよし、走ってよし。さらにセンターの守備でもしばしばホームラン性の打球をフェンス際でもぎ取るなど、魅せるプレーヤーのトラウトはファンの人気も抜群。12年から6年連続でオールスターに出場し、昨年までの5年間はいずれもファン投票で選ばれている(昨年はケガで出場辞退)。しかも14、15年は2年連続で球宴MVP。これはMLB史上初の快挙であった。

2000年代を代表する強打者プホルス

 このトラウトが現在、つまり10年代のMLBを代表するプレーヤーなら、00年代を代表する選手だったといえるのが、今季は史上32人目の通算3000安打の期待がかかるアルバート・プホルスだ。ドミニカ共和国出身のこのスラッガーは、イチローと同じ01年にカージナルスでメジャーデビューすると、いきなり打率3割2分9厘、37本塁打、130打点というハイレベルな成績で、文句なしに新人王を獲得。そこからは10年連続で打率3割、30本塁打、100打点をクリアするなど、マシンのように打ちまくった。この間に本塁打王2回、首位打者、打点王を各1回獲得し、ナ・リーグMVPを3度受賞。名将トニー・ラルーサ監督の下で、06、11年と2度のワールドシリーズ制覇にも貢献した。

 だが、カージナルスとの7年総額1億ドル+1年のオプション契約が切れた11年オフ、当時31歳にして総額2億4000万ドルの10年契約でエンゼルスに移籍。30代に入って故障に見舞われることが多くなり、昨年は自己ワーストの打率2割4分1厘にあえいだものの、それでも2年連続14度目の100打点超えを果たした。

 昨年まで通算2968安打で、今季32本で3000安打に到達する。通算614本塁打は歴代7位で、2、3年先には史上4人目の700本塁打も期待されるなど、将来の殿堂入りは約束されたようなものだ。カージナルス時代は主に一塁、最近は指名打者(DH)での出場がほとんどだが、開幕戦のように大谷がDHに入る場合は、ファーストミットを手にする姿が見られそうだ。

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著者プロフィール

静岡県出身。地方公務員、英会話講師などを経てライターに。メジャーリーグに精通し、2004〜08年はスカパー!MLB中継、16〜17年はスポナビライブMLBに出演。30年を超えるスワローズ・ウォッチャーでもある。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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