GI昇格2年目の大阪杯、好走条件はコレ 「芝2000m重賞実績」と「阪神芝実績」

JRA-VANデータラボ

結論

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は、今年の大阪杯登録馬の「芝2000m重賞実績」と「阪神芝実績」を表したもの。両方にしっかりとした実績を残している馬を挙げていきたい。

 注目は、4頭出しとなりそうな池江泰寿厩舎。登録があった17頭中、唯一の芝2000mG1勝ち馬となったのがアルアインで、毎日杯を含む2戦2勝と阪神適性も高い。そのアルアインが勝った昨年の皐月賞で2着だったペルシアンナイトも、阪神は1戦のみながらアーリントンCを快勝している。前走の金鯱賞3着で復調の兆しを見せたサトノダイヤモンドにも皐月賞3着があり、阪神は重賞2勝を含む3戦3勝の得意コース。8歳馬のサトノノブレスにしても、芝2000m重賞で3勝、複勝率70.0%と実績があり、うち1勝は大阪杯と同コースの鳴尾記念で阪神適性も十分。この池江厩舎勢4頭は、どの馬にもチャンスがありそうだ。

 G1初勝利を目指すスワーヴリチャードは、前走の金鯱賞で芝2000mG2勝ちを決め、条件を整えた。阪神でも新馬戦と未勝利戦ではあるものの、【1.1.0.0】と最低限の適性は見せている。ご存知の通り、これまでの重賞実績は左回りに集中しており、右回りの克服がカギとなるが、ここでG1制覇を飾っても誰も驚かないだろう。

 もちろん、JC勝ち馬のシュヴァルグランが現役トップクラスの実力の持ち主であることは疑いようがない。ただし、芝2000m戦は出走自体が3歳8月以来。昨年、同じように距離への不安が囁かれたキタサンブラックには芝2000mG1実績があったが、こちらは京都2歳S3着があるのみで、今回のデータからは強気にはなれないところだ。逆に、昨年3着のヤマカツエースは芝2000mには自信も、阪神芝の実績がひと息。今年は芝2000m重賞実績と阪神芝実績を兼ね備えた馬が多く、昨年より厳しい戦いになるかもしれない。昨年の皐月賞で3着のダンビュライトも、阪神芝では複勝率33.3%にとどまっている。

 最後に触れておきたいのがスマートレイアー。芝2000mG1の秋華賞で2着の実績があり、阪神でもメンバー最多の6勝を挙げている。常識的には苦しい8歳牝馬だが、一応マークはしておきたい。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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